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046 姉妹in奈良

 そして来てしまった。

 古都、奈良県。


「えぇ……」


 あまりの急展開にびっくりする。

 タクシーやら新幹線でもなく、魔法少女になって自分たちの足で来たわけだ。そっちの方が節約できるし早いからね。

 ただもうエネミーを倒して時刻は15時。もしかしたら夜まで捜索するかもだからとホテル代だけは持ってきた。


「氷彗さん、奈良は奈良でもどこに行くんですか?」

「手当たり次第よ。とにかく探しまくるわ」


 工藤大臣の死の秘密を探しまくると宣言した氷彗さん。

 すごいやる気だ……それに反して私は少し頭痛がする。伊月さんを見たときのような頭痛ではないけど、なんかこう……モヤモヤするタイプの頭痛。


「奈良県は魔力が濃いわね」

「氷彗さんは魔力を感じれるんでしたっけ。私は全然……」

「そうなの? まだ未熟だったかしら」


 そう言って氷彗さんは私の頭を撫でた。

 子供扱いというか妹扱いというのか。とにかく少し恥ずかしいのは確かだね。

 ここからとにかく手当たり次第という言葉が似合うように、様々な場所を巡った。

 東大寺や平城京跡、春日大社に古墳群。

 宮内庁が管理しているかもしれない歴史的遺物を巡ったけど、特にこれといったものはなかった。


「はぁ。ダメね」


 ついため息をもらす氷彗さん。

 そんな氷彗さんのためにアイスクリームを出店で買ってきてあげることにした。

 何味が好きだろう。でも苺のスイーツは食べていたし、ストロベリーとかでいいのかな。


 ストロベリーアイスと抹茶アイスを買って氷彗さんの元へ。

 一度ベンチに座ってゆっくり考えることにした。


「まったくヒントが得られないわね。工藤大臣の痕跡もないし、そもそもまだ犯人も見つかっていない」

「ただの通り魔……ではないですよね」

「当然よ。あの人が通り魔なんかに負けるなんて想像もつかないわ」


 ストロベリーアイスを舐め、少し口角を上げた氷彗さん。美味しかったみたいだね。


「氷彗さん、やり方を変えませんか? 例えばこう……地元の人に聞いてみるとか」

「誰か知っている人なんているのかしら?」

「う〜〜ん……手当たり次第やるよりは地元の人の方がいいと思います。なんとなくですけど」

「愛梨がそう思うのならやってみましょう。信じてみるわ」


 意外にも氷彗さんはすぐに了承してくれた。私への信頼度がいつのまにか高まってる?

 さぁ行きましょうか、というところでふと気がついた。

 今食べたアイスクリームのイチゴ味は果肉が入っているタイプ。それがなんと氷彗さんの唇に付いてしまっている!


「氷彗さん、付いてますよ。可愛いですね〜」


 そう言って私は氷彗さんの口元についていたイチゴを指で取って自分の口へ入れた。

 ………………………次の瞬間、何をやっているんだと全身が警告を発した。


「すす、すみません! なんか身体が勝手に!」

「い、いいのよ。ちょっと驚いたけど……」


 照れる氷彗さんと私。

 この恥ずかしさを払うため、私はダッシュしてアイスクリーム屋さんのおばちゃんに話を聞きに行くことにした。

 ……ようは逃げたんですけどね。

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