表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
姉妹契約で結ばれた魔法少女たちは特別な感情を抱いてしまうかもしれませんよ  作者: 三色ライト
3章 反抗編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/102

039 満月へゆけ

 隣接する病院に運ばれた夜伽(よとぎ)さん。お医者さんによると強い衝撃によって一時的に気を失っただけで、安静にしていればすぐにでも意識を取り戻すみたい。

 夜伽さんの病室には私と氷彗(ひすい)さん、それから夜伽さんの妹たち? 3人が押し寄せ、計5人で夜伽さんを見守る形になった。


「それにしても愛梨の魔力を吸っただけでこうなるなんて、本当に衰えたんじゃないかしら」

「あはは……それとも私が清純すぎて、えっちな夜伽さんには毒だったとか?」

「清純? 面白い冗談ね」


 氷彗さんの中では私は不純扱いなんだ。なんか不服。

 そんな話をしていると夜伽さんがゆっくりと目を開けた。気を失ってから約2時間だね。


「うっ……病院?」

「「「お姉さま!!!」」」


 妹たちは一心不乱に夜伽さんに抱きついた。さすが濃密な関係がある仲というべきか、人前で抱きつくことに一切の抵抗を見せなかった。


「なんで私が病院に? 愛梨と模擬戦して、魔力を吸って……あれ?」

「何かあったんですか?」

「……誰かに言われた気がするんだよね〜。『この力は私のものです』って。気のせいだとは思うけど」


 この力は私のものです? まぁ私の魔力は私のものだけど、そんな独占欲強い? そんなに魔力に思い入れないよ? 見えないし。


「オカルトな話ね。今までそんな経験あったの?」

「もちろん無いよ〜。今試してみようか? 変身!」


 なんと夜伽さんは病室で変身し、病人には刺激の強いサキュバスの姿となった。

 突き刺さる尻尾を持って、妹の一人にちくっと刺す。


「ちょっと吸うね」

「優しくしてくださいまし、お姉さま」


 夜伽さんは妹の一人から魔力を吸って、ほんの少し肌がツヤツヤした気がする。


「ん〜……特に異常はないし衰えもないと確信しているんだけどなぁ」

「何にせよ、あなたは愛梨との勝負で戦闘不能に陥った。つまり愛梨の前に敗北したということになる。わかっているわよね?」


 え、ええっ!? もしかして氷彗さん、あれで私の勝ち扱いにするつもり!? それはさすがに無茶なんじゃ……。


「そうだね。仕方ない」


 ありゃ? 意外と潔い。


「協力するよ氷彗。氷彗が動きたい時も、エッチしたい時も」

「後者は圧倒的に余計だわ」

「愛梨とすればいいもんね〜?」

「なっ……!? ちょ、違う!」


 氷彗さんが動揺するところを見て大笑いする夜伽さん。弱点み〜っけと言わんばかりだ。

 照れる氷彗さんは萌える。これは全人類の共通認識でいこう。私はそう固く誓ったのです。



「やっぱり愛梨の力を頼ることになったわね」


 病院を出て、氷彗さんは私に話しかけてきた。


「やっぱり……とは?」

「私には人の心を動かす力はない。たぶん今回の夜伽ルナも愛梨との関わりの中で協力を決めてくれたはずよ」

「そう……ですかね?」


 私はそうは思わない。氷彗さんは以前の氷彗さんから脱却したからこそ、こうして人が自然と寄ってくるようになったのだと思う。

 何気なく歩いていたけど、突然氷彗さんが立ち止まったため慌てて転びそうになった。

 氷彗さんはスマートフォンを見つめ、目を見開いて固まっている。


「ど、どうかしましたか?」

「……工藤大臣からメールが届いていたわ」

「え、ええっ!?」


 じゃあ生きているってこと!? って思ったけど、よく考えてみれば氷彗さんは滅多にスマートフォンを確認しない。

 最悪1日中スマートフォンを見ないことだってあるから、昨日のメールだってことも考えられる。


「ど、どんな内容なんですか?」

「……送信は昨日ね。内容は……『満月へゆけ』」


 満月へゆけ? どういう意味なんだろう。


「これがきっと大臣最後の言葉だわ。おそらく伊月は大臣のスマートフォンから私に送信されていることを知っているはず」

「それって大丈夫なんですか?」

「送ったのは大臣よ? 何も問題はないはずだわ。伊月に目をつけられるのは間違い無いでしょうけどね」


 安全なことはわかったとして、次にやるべきことは大臣からのメールの解読だ。その先へ行けって、氷彗さんには心当たりがあるのかなぁ。


「……あるのね、その先が」

「え?」

「それがわかっただけで十分よ」


 そう言って氷彗さんは歩き出した。その表情はいつもより凛々しい。

 きっと氷彗さんにはわかっているんだ、大臣の言葉の意味が。

 そう思うと少しだけ安心できた。こんな気持ちになったのは久しぶりな気がする私なのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ