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姉妹契約で結ばれた魔法少女たちは特別な感情を抱いてしまうかもしれませんよ  作者: 三色ライト
2章 留学生編

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031 訓練室、復活

 有馬(ありま)さんの登場により、とてもじゃないけどデートを続行する気分にはなれなかった。

 魔法少女寮に帰ってくると、たまたまブラッディさんと鉢合わせて驚いた顔をされる。


「……喧嘩でもした?」


 ブラッディさんは氷彗(ひすい)さんに聞こえぬよう、こっそり私に尋ねてきた。私はブンブンと首を横に振り、そうではないことを伝える。

 何かがあったことを悟ったように、ブラッディさんは優しく微笑みかけてくれた。そして……


「氷彗、訓練室へ行こう。鬱憤は私が受け止める」

「訓練室は壊れたはずだけど?」

「ついさっき修復したと連絡があった。元々日本の訓練室は十分な防衛力が備わっていたから、ダメージも少なかった」

「……そう。それならこの溜まったものを吐き出させてもらおうかしら」


 デートから帰ってきていきなり訓練かぁ。ストレス発散の仕方も、さすがはクラス6って感じだね。

 私は部屋に戻ろうと歩き出したら、氷彗さんに肩を掴まれた。


「愛梨も来なさい。これからしっかりと訓練をつけるわ」

「え、えぇ〜!?」


 クラス6の人に訓練をつけてもらってもレベルが違いすぎて参考にならないんだよ〜! 失礼になるからそんなこと言わないけどさ!

 と思っていたら氷彗さんは誰かにメールを送ったみたい。……珍しいね。


「大丈夫、愛梨にはちょうどいい訓練相手がいるから」

「ちょうどいい……ですか」


 誰だろ? いるのかな、そんな子。なんて思いながら訓練室に向かう。

 訓練室は魔法少女センターだったものの地下にあったので被害は少なく、一瞬で直せたみたいだね。

 剥き出しの地下通路入り口が少し痛々しいけど気にはしていられない。


 地下に入るとまったく変わらない光景が広がっていた。姉妹で訓練をする姿、集団で訓練する姿、それを観客席から見る姿。いろいろだ。

 サッカーコート9面分くらいの広さの端に、見慣れた顔がいた。氷彗さんはそちらへ足を運ばせている。


「お久しぶりです、中谷先輩。今日はよろしくお願いします」

「氷彗ちゃんから頼ってもらえて嬉しいわ。こちらこそよろしくね」


 氷彗さんが声をかけたのは風香(ふうか)さん。氷彗さんの元姉というすごい人。現在の妹である(さち)ちゃんと一緒に訓練室の端で待っていたみたい。

 あれ? 氷彗さんはブラッディさんと訓練するんじゃないの? なんだかよくわからなくなってきた。


「じゃあ愛梨、頑張ってね」

「え? ええ?」

「ふふ、よろしくね、愛梨ちゃん」

「よろしくなのです、桜坂さん」


 風香さんに両肩をホールドされてしまい、身動きが取れなくなってしまった。そして氷彗さんはびっくりするくらいの跳躍力を見せて対角線上に待つブラッディさんと合流していた。


「も、もしかして今日の訓練相手は風香さんと幸ちゃんなんですか?」

「えぇ。ブラッディさんが留学に来ている間は氷彗ちゃんにとってもいい機会だから、クラス6同士で訓練することになったの。氷彗ちゃんは愛梨ちゃんのことも気にかけて私に声をかけてくれたのよ〜」


 元妹に頼られてすごく嬉しそうな風香さん。その横で幸ちゃんは少し不服そうにショートの黒髪をいじっている。


「じゃあ私が指導をするから、愛梨ちゃんと幸で模擬戦を始めてくれる?」

「え? でも幸ちゃんはまだ変身が……」

「変身!」


 幸ちゃんは私の言葉が終わる前に叫び、黒色ベースの忍者衣装を身に纏っていた。


「幸ちゃん! 変身できたんだね、おめでとう!」

「ありがとうなのです! この2ヶ月を取り返すのです!」


 普通は3ヶ月はかかると言われている変身。それを2ヶ月でやってみせたんだから十分すぎるくらいに幸ちゃんは優秀なんだと思う。


「というわけで、愛梨ちゃんも変身して戦闘開始ね。もちろん妹だからって幸を贔屓にしたりなんてしないから、思う存分戦ってくれていいからね」


 私も変身し、少し距離をとった。初めてだね、クラス1同士で戦うなんて。

 時期は1ヶ月ズレているけど、私と幸ちゃんは一応同期。この勝負……負けたくない!

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