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姉妹契約で結ばれた魔法少女たちは特別な感情を抱いてしまうかもしれませんよ  作者: 三色ライト
1章 雪溶け編

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003 姉妹システム

 事件後2日で退院した私は魔法省事務次官さんに言われた通り、名古屋にある魔法少女センターに足を向かわせた。

 ここに来るのは初めてではない。なぜなら4月にここで魔法少女試験を受けたから。まぁ落ちたんだけど。

 だから本来ここの門をくぐる権利はないんだけど……


「で、でも特例で魔法少女になったから大丈夫……だよね?」


 そう自分に言い聞かせないとやってられなかった。右を見ても左を見ても公務員。緊張しないはずがない!

 正門前で右往左往していたらポンと肩に手が触れた。


「すすすすみません帰りますっ!」

「え? 桜坂愛梨(さくらざか あいり)さんですよね?」

「あっ……はい」


 だいぶ取り乱しちゃった。

 振り返ると眼鏡をかけたスーツ姿の優しそうな女性が立っていた。私の名前を呼んだってことは……


「えっと、私の事情を知っている方ですか?」

「はい。魔法少女採用部の者です」


 わお! 偉い人だった!


「書類は届いています。本部棟までご同行願えますか?」

「は、はい! もちろん」


 すごくテンパっちゃったけど、とりあえずレールに乗ることができた。向こうから声をかけてくれて一安心だね。


 魔法少女センター本部棟は外見だけを語るなら国会議事堂だ。魔法少女の影響力は政治家と匹敵する! ってことで国会議事堂と同じ外観にしたみたい。大人の喧嘩ってやだね。

 案内されるがまま、私は魔法少女試験のときには訪れなかった部屋へと案内された。なんというか、一度だけ入ったことある校長室みたいな感じ。


「椅子にかけてお待ちください」

「あ、はい」


 椅子に座ってそわそわすること5分。黒松のドアを開けたのはスーツ姿の高齢男性だった。


「あー、桜坂くんだったかな?」

「はい! 桜坂愛梨です!」

「魔法少女センター室長の須藤です。今日から君には魔法少女として活動してもらいますがよろしいですかな?」

「はい!」


 私の意思はトヨタ中央高校襲撃事件が起きても揺らぐことはなかった。誰かの役に立ちたい。その意思は、不変だ。

 私の強い意志がこもっているはずの目を見て、室長の須藤さんはにっこり微笑む……わけではなく、むしろ目を細めた。


「君はイレギュラーとして魔法少女になってもらいます。特別扱いということは他の魔法少女に好かれない可能性だってあること、よく頭に入れておいてください」

「は、はい」


 たしかにそうだ。特例で入ったなんて良く思わない人もいて当たり前だと思う。


「君はもう変身できる。それはいいことに聞こえるかもしれないけど裏を返せば訓練機会が少ないまま実戦に出されるということだ。だから君の姉妹には彼女を充てることにしたよ」

「彼女……とは?」


 魔法少女が採用する姉妹システム。ついに私のお姉さまが決まるんだ!


「入りなさい」


 室長さんの呼びかけで黒松のドアを開けたのは水色ポニーテールの美少女。雪のように白い肌、艶やかな髪、宝石のような瞳。どれをとっても文句の付けようがない、完ぺきな美少女だ。


「よ、よろしくお願いします!」

「……」


 ただちょっと無愛想なのかな? こっちが挨拶しても無視だし。


「桜坂くんの姉となる山吹隊員だ。先日のトヨタ中央高校襲撃事件のエネミーを狩った魔法少女だよ」

「あっ! あの時の!」


 あの凄まじい強さを見せつけた魔法少女さん! そんな人が私のお姉さまに!? いいの?


「では2人で打ち解けあうための話し合いでもしていてください。私は席を外します。30分後、また担当者を遣しますから指示を受けるように」


 そう言って室長さんは絢爛な部屋から出て行った。こうして山吹さんと2人きりになる。

 室長さんが座っていた椅子に、山吹さんも腰を下ろした。その佇まいは息を止めてしまうほどに美しい。


「え、えっと……私たちの学校を護ってくれてありがとうございます!」


 私は深々と頭を下げた。姉となる山吹さんにこの仰々しさは間違っているかもだけど、とにかくお礼が言いたかった。


「別に。学校を護るためにやったわけじゃないわ。ただエネミーがいたから狩っただけよ」


 声……キレー。透き通った水のように耳に浸透してくる。歩くasmrだよこれ。


「あ、申し遅れました。今日から魔法少女になります、桜坂愛梨です。よろしくお願いします!」

「……山吹氷彗(やまぶき ひすい)


 よろしくは言ってくれないみたい。氷彗(ひすい)さんか〜、名前まで綺麗だなぁ。非の打ち所がないとはまさにこのことだね。

 さて、姉妹システムにはとある慣習がある。それは妹となる下級魔法少女が、姉となる上級魔法少女のことを「お姉さま」と呼ぶのだ。

 私は正直この慣習に憧れがあった。お姉さまと呼びたい、そんな欲求が強い。


「あの……ひ、氷彗(ひすい)お姉さま」


 私が氷彗お姉さまと口にした瞬間、氷のように固まっていた氷彗さんの表情が一気に怒りに染まった。


「その薄寒(うすざむ)い呼び方で呼ばないで! 吐き気がする」

「ご、ごめんなさい……」


 お、怒られた……。

 私、この人とうまくやっていけるのかな……。

少し下にある☆☆☆☆☆から評価をいただけると嬉しいです!(*´ω`*)

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