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4人のこと!

アルキラ王国のラックランド領、その北東部にある港湾都市ーーーシュクミ。


幼馴染みの四人の少女は、この街で育った。


ゾック港という港を抱えるシュクミは、昔から交易で栄えてきた。


街中の通り沿いには、交易品がそこかしこに並ぶため、通称"ハニーマーケット"と呼ばれ、日夜を問わず多くの人で賑わう。


名前の由来は、蜜蜂があちこち飛び回り、花の蜜を集めてくることに喩えられたためと言われていた。


シュクミでの盛んな交易や、領内全体が穏やかな気候のために商品作物の生産に適していることなどから、ラックランド領は他領に比べて富んでいる。平民も皆教育を受ける権利と、学校卒業と同時に職業の斡旋を受けることのできる仕組みが確立されていた。


ラックランド領内の平民は皆、13歳になる年に専門学校兼職業訓練所へ通い始め、最低限の読み書きや専門知識を詰め込まれ三年後に卒業。そして、成人となる。


貴族はというと、同じく13歳になる年から高等学校へ通い、ブルジョワな学校生活を経て三年後に卒業。成人となるのだ。


四人もその例に漏れず、専門学校へ三年間通った。その間は毎日の学業と実習、そして家仕事の手伝いで忙しく、地獄のような日々だった。


趣味、嗜好、価値観がバラバラの四人は、それぞれ異なる道を目指し、別々の専門学校へ通っていた。


そして、卒業後はそのまま就職し、それぞれ見習い期間を忙しく過ごしていたため、久しぶりの再会となったのだ。


しっかり者で堅実なサーリアは薬師の道へ進んだ。サーリアの髪はサラサラな銀髪で、瞳は濃紺。とにかく肌が白く、ヴィダに羨ましがられているが、本人はそばかすが目立つと気にしている。この四人のまとめ役的な存在でもある。


ヴィダは、長い黒髪に黒い瞳で肌は浅黒く、とにかく色気がすごかった。自分が一番輝ける場所を求めて、踊りの道へ進んだ。実はかなり頭脳明晰で、計算などはサーリアよりも得意な一面もある。


いつも一生懸命なカーニャは、一人でも多くの人の役に立ちたい、と神官の道を目指した。おっちょこちょいなカーニャだが、いざというときには人一倍度胸があり、頼りになる。金髪のボブに碧眼の、お人形のような美少女でもある。


チェルカは昔から絵を描いたり何かを作ったりすることが好きで、職人の道を選んだ。栗色の髪に栗色の瞳が普通でつまらない、と髪をお団子の形にしたり、カラフルな毛糸を編み込んだりといつもアレンジに余念がない。ぽわぽわした話し方に反して、好奇心旺盛でもある。


……この、チェルカの好奇心によって、四人に思わぬ幸運が舞い込むことになるのだった。

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