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いい家見つけた!

幼馴染み四人で久しぶりに集まったときに、誰かが言い出したのだ。


「このままじゃ私たち、平凡な稼ぎで平凡に暮らすだけの、平凡な人生で終わっちゃう」と。


「幸せってそういうものです」


「お金があればなぁ〜」


「ラクにボロ儲けする方法、誰か知らない?」


「知ってたらもうやってるやってる!」


「ちょっと待って計算してみます」


とんとん拍子で話が進み、四人が出した結論は、「みんなの特技をフル活用してボロ儲け大作戦」であった。


薬師のサーリア、踊子のヴィダ、職人のチェルカ、そして神官のカーニャ。


まずは削れるところは削ろうと、四人で暮らすことに決まった。


   *


物件探しをし始めて、すぐに難題にぶつかった。

幼馴染みの四人は仲はいいものの、趣味も価値観もとにかくバラバラだ。そのせいで、住む家がなかなか決まらない。


とにかく立地を優先するサーリア。

外観が豪華じゃないとダメだと主張するヴィダ。

部屋が広くて庭がある家を希望するチェルカ。

内観のかわいさと日当たり重視のカーニャ。


これら全てを満たす家なんてあるだろうか。もしあったとしても、平民四人の給料を合わせても借りられるとは思えない。


ところが、奇跡が起きた。


一通り物件を見て回り、収穫なしで戻ってきた町一番の不動産屋。その店内に貼られた貼り紙である。


「町近、4LDK、日当たり抜群の庭付き一戸建て!ただし過去に事故有りのため、お値段交渉可。詳しくは店主まで」


事故物件の紹介であった。


「これ、うちらにぴったり〜」


「条件いいですね。見に行ってみます?」


「あ、でもカーニャはこういうのいやだよねぇ?」


「ううん、亡くなった人の霊とかいるなら、むしろ浄化したいし!」


「おぉ、さすが神官」


「えへへ、新米だけどね!」


こういう変なところで気が合うのは、幼馴染みだからだろうか。


うきうきとした四人の様子に、不動産屋の店主も笑みを隠せない。こんなに乗り気な客も、事故について詳しく聞かれなかったのも初めだったのだ。長年悩まされた不良債権の事故物件の借り手が決まるかもしれない。


「さぁさ、善は急げです。早速ご案内いたしましょう」


さっきまでは、小娘相手と雑な扱いを受けていたが、店主は店を出ると自ら馬に跨り、四人には馬車に乗るよう促したのだった。


ガタガタと石畳を揺られること十分ほど。向かっているのは、街の中心部であるセントラルエリア。いわゆる高級住宅街である。その地価の高さゆえ、貴族か、よほど成功した商人しか住めないと言われている場所だった。


「私、セントラルに来たの生まれて初めて!」


「みんなそうなんじゃないですか?建物がいちいち豪華ですね」


キョロキョロと周りを見渡すカーニャとサーリア。


「私は一回来たことある〜。シュクミ侯爵様のお屋敷で開かれた晩餐会で、踊ったのよ。一番端っこだったけどね」


「すごいじゃんヴィダぁ」


「ふふん」


ヴィダの自慢話を聞くと、いつも全力で褒めてくれるのは、チェルカの良いところだ。


「さぁ、着きましたよ」


馬車を降りた四人は、店主が向かった建物を見て驚愕した。


「え!? これがその物件ですか?」


「えぇ、そうですとも」


「よ、4LDKって書いてなかったぁ?」


「はい、4LDKですとも。一階に広々LDK、バス、トイレがございます。そして二階と三階にそれぞれニ部屋ずつございます。四人暮らしにはこれ以上ない物件ですな!」


「私ここ気に入った〜、ここに住むわ」


「ちょっと待ってください、ヴィダ。家賃の話がまだでしょう。ご主人、お家賃ですけど……」


「あ〜待ってサーリア。後は私とご主人で話しておくから。三人は中を見てきて。なんなら掃除やら浄化やら始めてくれていていいからね」


そう言って、ヴィダは三人をぐいぐいと門の中へ押し込むと、店主の腕に自分の腕を絡め、馬車の中へと誘った。


「ねぇご主人、二人で大事な話をしましょう?」


   *


「勝ったわ〜」


人差し指と中指で紙を一枚挟み、ヒラヒラさせながらヴィダが現れたのは十分ほど経った頃だった。


「へ〜、中もいい感じじゃない。掃除は必要だけど」


室内を見渡し、そのまま二階へ上がろうとするヴィダ。


「ちょっとヴィダ待って! いくらになったの? ……てかそれって契約書!? もう契約しちゃったの!?」


「私の今の家の家賃とおなじよ。銀貨7枚」


「「えええええ〜〜〜!!!」」


四人の毎月の手取りは、だいたい一人当たり銀貨15〜16枚である。


もともと、四人で相談し、家賃の予算は銀貨15枚と決めていたのだ。その半額以下だ。


「どうせ契約すると思って、店主の気が変わらないうちに一筆書かせたわ。みんなも後でサインしてね〜。」


「ちょっとヴィダあの人に何したのぉ?すごすぎぃ」


「銀貨7枚でこんな豪邸に住めるなんてステキ!」


「たしかに、ちゃんとした契約書ですね……」


サーリアはヴィダの指から契約書を掴み取ると、ざっと目を走らせてそう言った。


「あ、そういえば、店主は今どちらに?私たち、こんなにのんびりしていていいのでしょうか?」


「店主ならもう帰ってもらったわ。あ、鍵は一旦サーリアに預けとくわ。明日、店主が三本合鍵作って持ってくれることになってるから。」


「よぉし、じゃあ掃除だぁ」


「「おおーー!!!」」

お読みいただきありがとうございます。

こんな感じでほのぼのした話を書いていきます。

2話では、キャラクターの見た目などの紹介をする予定です。よろしくお願いします!

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