3/3
第2章
僕が、親を殺した理由。
それは、親が憎かったとか、親が病気で死にかけだったからとか、そういうわけではない。
僕だって、人の心くらい、ちゃんと持ってる。人殺しが悪いことなんていうのは、当然の如く知っている。当たり前だ、法律で決まっているのだから。
それなのに、何故親を殺したのかだって?
浪人している間、うるさかったし邪魔だった。そしてなにより、親の手元から離れたかった。
自立とかいうけれど、人間(この場合は子供だけれど)っていうのは、本当の意味では自立できていないんだと思う。
だって親が生きているあいだは、親の手元に存在しているのだから。
じゃあ、その親が死んだら?いなくなったら?
そう考えた時に、僕は閃いた。
【親を殺してしまえばいいんだ】って。