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龍のせぼね  作者: 飯田橋ネコ
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第七話

“……揺れの強かった地域では、今後1週間程度は、最大震度5程度の地震に注意してください。……”


 テレビでは気象庁が会見を続けている。朝のニュースはここのところ地震一色だ。ひずみ計自体には問題無いことが確認できた昨日は、結局そのまま帰ることにした。香住が、「どうしても帰らなきゃマズいの!」なんて騒いでいたのもあったけれど、実際あの場に居続けることには抵抗があった。夜も遅かったし帰りも運転しなければならない上、暗くて狭くてひんやりとしたあの坑道の奥には、何か底の知れない物の気配が……


“続いてのニュースです。奈良地震で倒壊した県立医療センターの建設を請け負った大連建設と、現場施工を担当した登美建設に対し、奈良県警ならびに奈良地検による家宅捜査が始まりました、奈良市の登美建設前より中継です……”


 テレビでは捜査員たちが列を為してダンボール箱を運び出している。何の変哲もないありきたりな家宅捜査の映像。朝食をとりながら見ているとふと違和感を感じる。


「……かすみ??」


 スーツを着た捜査員の列の中にまごうことなき香住の姿。周囲と同じようなスーツを着込み、さも当然といった面持ちでダンボール箱を両手で抱え、足早にフレームアウトしていく。アイツあんなところで何やってるんだ?? と、スマホにLINE。


〈朝早くからすいません。また車出してもらえませんか? ちょっと荷物がスゴいことになりそうなんです〉


 って、お前ほんと何やってんだよ!?

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