第一話 グルニア軍来襲
アカネイウス暦895年春 アカネイウス大陸南端 コリント王国 南部
「報告します!第三偵察分隊が敵兵に接触を受け交戦、同分隊は壊滅しました。」
「そうか、わかった下がっていいぞ 分隊程度ではさすがに荷が重かったか・・・」
ここは、グルニア帝国軍がアカネイウス大陸侵攻を前に送り出した偵察大隊の野営地 グルニア帝国軍参謀本部は、大陸各地に大隊規模の偵察部隊を送り出しアカネイウス大陸に点在する各国を偵察し、侵攻の橋頭保を築こうとしていた。
「うん、ここのコリント王国か、偵察状況からすると動員兵力1万海に面していてかつ良好な港もあるここはちょうどおあつらえ向きな土地柄だな さてと、上に報告せにゃならんな」
翌月コリント王国へとグルニア帝国軍の大艦隊が現れる。
同年コリント王国 キール港
カーンカーンカーン 街の警鐘がけたたましくたたかれる
「大変だ!沖合に軍艦がたくさんいるぞ」 「逃げろー」 「誰か騎士団の詰所まで知らせて来い!」
突如として現れたグルニア帝国軍アカネイウス大陸派遣軍艦隊 およそ200隻それを見たキール港街は、パニックに陥っていた。そして、、、
ヒュウうゥゥゥゥという不気味な音に街の人々は一瞬静けさを取り戻したが ドカーン ボウゥ という弾着による破壊と火災によって町のパニック状態は収集がつかなくなっていった。
数時間後
「ラインハルト師団長!街は完全に制圧しました!また街の守備隊もほとんどおらずろくな抵抗もせず四散しました。」
「そうか 一番上陸が手こずるかと思っていたが案外とすんなりといったな、よし斥候を出して敵の動向に注意しろ。」
「はっ」
ラインハルトと呼ばれたこの男は、グルニア大陸での戦争で武功を挙げ平民出身の士官でありながらも中将まで昇進そして今回のアカネイウス大陸侵攻の先鋒第10師団の師団長を務める老練な将軍である。
「閣下、我が師団の任務は橋頭保の確保と敵国の王都の確保であります。すでにわが軍の先行した偵察大隊より周囲の索敵は完了しています。即急に進軍し王都を確保すべきだと考えます。」
「うんそれは、重々承知しているよクルト君 斥候を放つのは我々の存在を敵に認知してもらうためなのだよ。」
クルトと呼ばれたのはラインハルトの副官であり貴族出身の参謀本部から派遣されたラインハルトの監視役でもある。
「どういうことでありますか閣下」
「敵は、なんでも甲冑に身を包んだ騎士なんという古臭い連中らしい だがね先遣隊が被害を被ってるように重装騎兵は脅威だ ならばだ、わざと姿をさらすことで遭遇戦することを防ぐのだよ 私の部下は一人でも国へ連れ帰ってやりたい損害は少ないほうがいい」
「なるほどそういうお考えでしたか、しかし、敵はいまだに剣と弓で武装している蛮族どもです、そのような小細工いらぬ考えとも思えますが。」
「念には念をということだよ 敵を軽んずれば勝てる戦も勝てないぞクルト君」
それと君のような生意気な貴族将校に手柄をあまりたてて欲しくないのだよ とラインハルトは心の中で付け加えた。
キール港より北に50km コリント王国王都 オーデル 王宮
キールの住民より国土への外敵の侵入を知ったコリント王国の王宮では、御前会議が行われていた。
「陛下敵どもが卑しくも我が神聖なる大地に侵攻してきたそうです。」
「なんとどこの手のものか!ま、まさか隣国が、、、」
「いえ、なんでもグルニアの蛮族どもだそうで」
「なんじゃ、蛮族どもかとるに足らんな 辺境伯にでも討伐を命じておけばよいだろう」
「しかし、数が6000を超えるそうで」
「ふん、どうせ数頼みの力押ししか考えんバカどもだ 王宮騎士団も貸し与えるヴェルンハルト伯爵や諸侯に討伐させよ」
「はは、仰せのままに」
こうしてコリント王国は、アカネイウス大陸とグルニア帝国の間における最初の先端を開いてゆくのであった。
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次は戦闘回です。
主人公は、だいぶあとから出すつもりですここら辺はまだ世界観を把握していただくためのプロローグも兼ねています。