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この世界でただ1人の人間の戦い  作者: 冒険好きな靴
第4章 地獄篇 空中要塞アネンヴァング
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67話 殺戮の夜2~脱走~

 大穴の向こうは、黒い炎と紅蓮の炎でいっぱいだ。

 それ以外何も見えない。


 時折何か見えても、それは炎を吐くのを中断して、炎の龍と黒い龍が食い合ってる場面だけだ。

 単純な質量と質量のぶつかり合い。

 戦い方とか理屈のようなものは何もない。

 そんなものは、この圧倒的な力の前では無意味だ。

 そんなことを、巨大な龍の戦いを見て俺は思った。


 召喚王とロンポット達も戦っているようで、かなり離れたところで交戦しているのが分かる。

 だが、炎が激しすぎて殆ど見えない。

 と言うか、炎が穴の中まで進入してきて非常に危ないことになっている。

 ここから離れないと俺は丸こげだ。


 幸い、俺を閉じ込めていた鉄格子は黒い龍が壊していった。

 今なら脱走出来るだろう。


 俺は鉄格子の外側へと出る。

 1週間ぶりに廊下に出たな。

 あの時は目隠しをされたから、正しい道順がどうなのかも分からない。

 ・・・勘で行くしかない。

 もし、悪魔と遭遇したら・・・


 ええい!

 考えても仕方ない。

 ひとまず移動しなくては、すぐに焼け死ぬ。


 俺はとりあえず長い廊下を走る。

 ここは空中だ。

 普通に脱出は出来ないだろう。


 脱出ポットとかあればいいのだが、そんなものがあるかどうか怪しい。

 だからだ。

 ここはもう、転移しかないだろう。

 転移で脱出するしかない。


 正直な話、召喚王へ下るのはよしたい。

 命の保障がどこにもないからだ。

 だからと言って、魔王側に拘束され続けるのもよろしくない。

 だが、今は両者が争っていて、俺はかりそめの自由を手に入れている。


 ・・・これはチャンスだ。

 何の勢力に囚われることなく逃げられる、またとない機会だ。

 こんなチャンス、逃す方がどうかしている。


 そして、今の俺が脱出の為にやるべきこと。

 それは、魔剣の奪還とララの救出。


 ララを助けることは俺の心情的に絶対条件だ。

 そして、ララを助けるには悪魔を倒せる力が必要だ。

 つまり、それが召喚王の魔剣。


 それに、あの魔剣は戦力になる。

 俺はあれでまた戦える。

 片腕がないのは痛いが、それでも魔剣を持たないよりは雲泥の差があるだろう。


 よし。

 やることは決まったな。


 廊下の先に、ドアがあるのが見える。

 どこに繋がっているかは分からない。

 だけど、開けなくちゃな。

 進むしかない。


 俺は勢いよくドアを開ける。

 そこには・・・


 「うっ・・・」


 悪魔の死体が3人転がっていた。

 上半身と下半身が分かれているもの。

 首を切断されたもの。

 脳天を刺されたもの。

 計3人だ。


 酷い。

 血は辺りにペンキを塗りたくったように散乱していた。

 臓器が死体からはみ出て、悪魔達の顔が苦悶に満ちていた。


 恐らく、あの銀騎士だろう。

 アイツが殺したんだ。


 銀騎士の持っていた得物は、確か剣だった。

 死体の傷とも合致する。


 殺された悪魔の格好は、前に戦った騎士達の鎧よりも頑丈そうだ。

 牢屋を守る役目だったろうから、それなりに強かったに違いない。

 だが、ソイツら3人纏めて殺されている・・・


 銀騎士は召喚王と一緒に襲撃してきたような奴だから、よっぽど強いんだろう。

 騎士団隊長ぐらいの実力があっても、何にもおかしくはない。


 ・・・クソッ。

 ダゴラスさんとの狩りを思い出す。

 二尾サルの死体の山。

 あの時は殆ど感情が揺れ動かなかった。

 なのに、それが人型になると急にこれだ。

 途端に気持ち悪くなる。


 ・・・急ごう。

 時間がない。

 モタモタしてられない。


 「ふう・・・」


 心を落ち着かせる。

 死体はあまり見ないようにしよう。

 それがいい。


 俺は前に向けて走り出す。

 ドアの先もまた、真っ直ぐだった。

 こっちは牢屋の方の廊下と違い、明かりがしっかりとしている。

 それは悪魔の出入りが頻繁にあるからと言うことでもある。

 悪魔と遭遇する確立は0じゃあない。


 警戒しながら走っていると、廊下が3つに分かれているのが見えた。

 右か真っ直ぐか左か。

 ・・・そこら辺に案内板みたいのはなかった。

 さて、どうするか。


 「んっ」


 たまたま床に、血が付着している箇所を見つけた。

 血痕だ。

 一定の間隔で、小さい血の跡が落ちている。


 ・・・銀騎士だろうな。

 跳ね返りの血と見た方が賢明だろう。

 その血痕は、真っ直ぐ行った廊下まで続いている。


 それにだ。

 正面方向から血の臭いがする。

 鉄クサイ。

 もう確実に、銀騎士は次の悪魔に手を染めているだろう。


 ・・・そっちへ行くべきだろうか?

 銀騎士は俺に敵意を抱かなかった。

 途中でうっかり遭遇しても、殺されるという心配はない・・・と信じたい。


 対して、悪魔側に遭遇したら、どうなるかは分からない。

 殺されるのか、捕らえられるのか。

 どうも微妙なんだよな。

 そこら辺、ルフェシヲラ側と魔王側で意見が分かれてるっぽいし。

 魔王はルフェシヲラに説教みたいなことをしていたが、それで改善されたかどうかは正直怪しい。

 ルフェシヲラは心を読むのを妨害する能力を持っているみたいだし、魔王も真偽の程は定かじゃないだろう。


 ・・・銀騎士の通った方向へ行くべきだろうな。

 銀騎士は悪魔を殺しているだろうから、他の道を行くよりも悪魔に遭遇する確立はかなり減ると思う。

 まあ、それでも悪魔に見つかる確立は0じゃない。

 それでも、リスクは最小限に減らしたい。

 ・・・真っ直ぐ行こう。


 俺はまた正面方向へ走り出す。

 血の跡を追いながら。


 時々、爆発の余波なのか揺れが俺を襲ってくる。

 外では激戦が繰り広げられているのだろう。


 謎の女悪魔とヴァネール。

 召喚王とロンポット達。

 銀騎士と悪魔達。

 後、もう1つ。

 魔物だ。


 召喚王によって召喚された魔物。

 無数の鳥やらなんやらだ。

 中には昆虫みたいな生き物もいた気がする。

 とりあえず色々だ。


 ソイツらは、砲台なんかを攻撃していたな。

 砲台で結構な数の魔物がやられていたみたいだが、当然生き残りもいるだろう。

 新たに召喚王が何かを召喚しているかもしれない。


 もし、召喚王が俺を襲う気がないのなら魔物は俺を襲わない・・・だろうか?

 これも考えるに怪しい。


 転移回廊では、闘牛の巨大な魔物が普通に俺に襲い掛かってきた。

 魔王は俺をさらう目的で用意した手先だとも。

 だが、もしそうなら俺を普通攻撃しないのでは?

 と言うことはだ。

 召喚王は魔物をコントロール出来てないのではないだろうか?


 その考えでいけばだ。

 空中要塞を攻撃している魔物に遭遇したら、俺は殺されてしまうかもしれない。

 ・・・否定出来ないところが悲しいところだ。


 魔物だろうが、悪魔だろうが、基本逃げるスタンスでいいだろう。

 誰とも出来るだけ接触しないことが望ましい。

 と、そこで・・・


 「また死体か」


 悪魔の死体があった。

 女悪魔の死体だ。

 胸を斜めにちぎられているようだ。

 服も裂かれていて、胸がはだけていた。

 こんな死体じゃあ、欲情もへったくれもない。

 女とか男とか、やっぱり戦いの場所では関係ないんだもんな・・・


 この死体も血しぶきが凄かったみたいで、壁が真っ赤に染まっている。

 新たに血痕の跡が廊下に続いている。

 一体どこに向かっているんだ?


 と言うか、銀騎士は何がしたいのだろうか。

 俺を逃がしたいのか?

 それとも、悪魔をみんな殺していくのか?

 ・・・分からない。


 今は進むしかない。

 俺は足を進める。

 ここで進行は止めない方がいい。


 空中要塞の揺れは一層激しくなっている。

 恐らく、結界で龍の攻撃から守っているだろうから、ルフェシヲラは動けてないだろうな。

 かなり接触したくない奴だから、これは好都合だとも言える。


 また、ある程度廊下を進んでいくと、ドアがあった。

 そのドアは、これまた真っ二つに切断されていた。

 鍵があるから、邪魔だと思って斬ったんだろう。


 ドアの先は食堂のような所だった。

 イスとテーブルが並び、奥には厨房らしきスペースもある。

 まあ、だからどうということもないんだが。


 だが・・・

 気配を感じた。

 何かの気配。


 魔物か悪魔かは分からない。

 だが、確実に何かがいる。


 引くべきか引かないべきか。

 考えるまでもない。

 ・・・確実に引いた方がいいだろう。

 そのほうが安全だ。

 悪魔に接触したら、俺には対抗出来る術がない。

 魔物も同様だ。

 俺は来た道を引き返そうと、後ろを振り返る。


 「ギィイリリリギャイイイリリ!!」


 いた。

 魔物だ。

 すぐ後ろに魔物がいた。


 気付かなかった。

 なんで気付けなかった?


 ・・・怪音。

 そんな言葉がピッタリな音だ。

 今まで聞いたことが無いような音を、そいつは俺達と出会った瞬間に発した。


 真っ黒で、丸い形。

 大きさは、大きめのバランスボール程。

 真っ黒で丸い形の体は、黒い霧がかかっているかのようにモヤがかっている。

 しかもその体は空中に浮いている。

 吊るされたり、何かに支えられている訳では無い様だった。


 そして、体の中央には人の口にそっくりな口が存在していた。

 それ以外のものは何も付いていない。

 大きくて、丸い形にずっと口が開いている。

 人間のような歯が並び、人間のような舌がある。

 そんな醜悪な口からは、超大粒のヨダレがトタットタッと音を出しながら落ちていた。

 笑っているかのようだ。

  

 一言で言うのであれば、気持ち悪い。

 気持ち悪くて気持ち悪くて、たまらない。


 そう。

 俺がかつて倒した魔物。

 闇の器の捕食者(ブラックイーター)がそこにはいた。


 しかも、1体だけではない。

 3体いる。

 やばい。

 これはやばい。


 戦ったら負ける。

 殺される。


 コイツが容赦ないことは、名無しの森でしっかりと見ている。

 一種のトラウマみたいなものだ。

 はっきり言って、動揺を隠せない。


 ブラックイーターの口元には、血がべっとり付着している。

 きっと悪魔を食べたんだ。

 ・・・もしかして、あの殺されていた女悪魔もコイツに襲われたんじゃないだろうか。

 胸の傷はスッパリとした傷口じゃなく、ちぎれたような感じだった。

 つまり、途中からあった血痕は魔物の痕跡だったのか?

 銀騎士は別の方向へ?


 だめだ。

 考える暇がない。


 魔物は、距離を詰めるように俺に近付いている。

 だから、俺は・・・


 「うおおおおおおおお!!!」


 逃げた。

 食堂に向かって。


 戦える訳がない。

 確実に殺される。

 なら、逃げた方がいい。


 だが、それでも食堂には何かがいる気配がある。

 見た感じは誰もいない。

 恐らく隠れるか何かしているんだろう。

 俺が食堂内に入ったら、何かしらアクションを起こすはず。

 俺は一気に食堂へと駆け込む。


 「くっそ!」


 悪魔3人が物陰に潜んでいた。

 やっぱりか。

 俺が入ったタイミングに合わせて接近戦を仕掛けてくる。

 武器を腰に挿しているのに、使わない様子を見ると俺を捕獲する気か。


 「なに!」


 悪魔3人は後から入ってきた魔物達に、一瞬体を硬くする。

 俺も魔物の気配に気付けなかったんだ。

 悪魔が気付かなくても不思議じゃない。

 そこを利用する。


 「老練なる火よ(ケン・マトラス)!」


 悪魔達はブラックイーターに対して火の攻撃を当てるが、それでも魔物は止まらない。

 ダゴラスさんの攻撃でも止まらなかったくらいだ。

 多分、こいつらも止められない。

 足止めにはなるだろうから、その間に俺は逃げる!

 悪魔の視界からさっさと外れて、素早く悪魔を通り抜けていく。


 「ぎゃあああああ!」


 悪魔の悲痛な叫び声が聞こえるが気にしない。

 気にしたら俺が殺される。

 振り向かないで、真っ直ぐ走れ!


 奥にあった調理場には、次の通路に繋がっている出入り口がある。

 ドアは開きっぱなしだ。

 俺は走ってそこまでいき、ドアを閉める。

 その際部屋の鍵は閉めておく。

 バンッとドアを閉めた音の後には、静寂が周りを包んだ。

 もう悪魔の叫び声も聞こえない。


 「ふぅ・・・」


 ・・・危なかった。

 うまくあの場で判断出来てなきゃ俺は死んでたかもしれない。


 ・・・あの魔物、召喚王の出した魔物なんだろうな。

 やっぱり制御は出来ていないみたいだ。

 呼び出すだけならいくらでも出来るが、使役はまた別問題、か。

 こっちはいい迷惑だぞこの野郎。


 「モタモタしてられないな」


 魔物は建物内にまで入っていた。

 と言うことは、この建物内のどこに行っても魔物と接触する可能性があるということだ。

 恐らくララは拘束されていると思う。

 そんな状態で魔物がララを襲ったら、果たしてララは抵抗出来るのか?

 ・・・急がなければいけない。


 「ギリシィリリリ!」

 「うおっ!!」


 閉めた扉がゴンッと音をたてて歪む。

 いきなりだからビックリした。

 あの声は魔物だ。

 悪魔じゃない。

 ・・・もう悪魔を殺し終えたみたいだった。


 ブラックイーターならこんな扉すぐに破れるだろう。

 逃げなきゃやばい!


 「っの!」


 俺は全力疾走で廊下を渡る。

 あちこちに分かれ道があるが気にしている余裕がない。

 いつ物陰から敵が襲ってくるかも分からないっていうのに。


 ガギンと後ろから扉が破られる音が聞こえた。

 大して距離を稼げてないのに。


 「ギリシィイイイアア!!」


 恐ろしい声が聞こえて後ろを振り向きたいのを我慢する。

 そんなタイムロスは出来ない。

 あの魔物が足を強化したダゴラスさんと併走出来るぐらいの脚力を持っているのは知っている。

 俺はそれよりも遅い。

 だから俺は後ろを振り向かない。


 「いいっ!!」


 バンバンと足が床を軋ませるような音が迫ってくる。

 追いつかれる!

 ものの数秒で、その大きい足音はすぐ傍までやってきた。

 人間の走力はなんとも頼りない。


 ギシギシと嫌な音が聞こえる。

 前にも聞いた音。

 アイツが体を変形させる音だ。

 攻撃する気だ!


 「!!」


 俺は脅威を察知して、走りながら前かがみになる。

 その刹那、頭上を黒い剣が通過したのが分かった。

 ブンッと轟音が唸る。


 かがんでなかったら、首が飛んでいた。

 心臓が一瞬ドクンと一際高く鳴る。


 ダメだ。

 次は避けられない!

 何かしなくちゃ首が飛ぶ!


 「これなら!」


 俺は横にあった分かれ道に、急な横ステップで入り込む。

 直進は駄目だ。

 縦だけじゃなく、横を使わなければ殺される。

 横を使うんだ!


 入り込んだ廊下の先を見てみると、先程までの道よりもかなり入り組んでいるようで、分かれ道が何箇所にも渡って作られていた。

 運がいい。

 これなら行けるか?


 急な横ステップをしたせいで足に負担がかかった。

 正直痛い。

 だが、そんなことを思っている暇はない。

 だが、痛いものは痛い。

 だから俺は叫ぶ。


 「痛ってえんだよ!!」


 叫びながら立ち上がる。

 助走をつけずにダッシュだ。

 ブラックイーターは俺の急な方向転換に対応出来ず、数秒タイムロスをしていたみたいだった。


 とっさの行動には対応出来ない。

 魔物は考える知能が、悪魔よりもだいぶ劣っているからこういったことを予想して行動が出来ない。

 そこを突け!

 突いて突いて突きまくれ!


 俺は走っては曲がり、走っては曲がりを繰り返す。

 魔物はその動きに翻弄はされているみたいだが、速度が絶対的に速いのですぐに追いついてしまう。

 かなりギリギリだ。


 攻撃もかなり飛んできてはいるが、単発だったらかわせないこともない。

 前は分からなかった攻撃の気配が分かる。


 分かるからかわせる。

 かわせるから逃げられる。

 逃げ切れるまで続けてやる。

 だが・・・


 「はぁ・・・はぁ・・・」


 俺は止まった。

 曲がった先が行き止まりだったからだ。

 扉もなにもない。

 ・・・逃げられない。


 ちなみに、向こう側には扉がある。

 めちゃくちゃそっちに行きたいのだが、その間を3体の魔物がふさいでいた。


 「ギリアリシィア!」


 俺が逃げられないと分かったのか、魔物はゆっくりと、確実に俺に迫ってくる。

 体を変形させながら。


 黒くて丸い体から鎌を出してくる。

 鋭そうな鎌だ。

 俺が森で見たのと同じ形状の鎌。


 あの時は余裕で対処出来た。

 今は無理だ。

 ・・・せめて武器があればな。

 ついついそう思ってしまう。


 特攻して向こう側に行ってもいいが、無駄死で終るだろう。

 だって、人間1人通れるスペースすらない。

 黒い体で殆どふさがっている。


 「ぐっ・・・」


 じりじり魔物が俺に寄ってくる。

 気持ち悪い。

 来るな。


 ・・・いや、殺すならさっさと殺してくれ。

 この緊張感を早く終わらせてくれ。

 胃が痛くなりそうで嫌なんだ。

 苦痛はなるべくない方がいい。


 もう完全諦めモードだ。

 街を逃亡する時には、あれだけ頑張ってたのに。

 落差が激しいな・・・俺。


 俺の近くまで魔物が来る。

 魔物は鎌を俺に振り下ろそうとする。


 凄いな。

 相手の行動が鮮明に見える。

 たった数回でも、俺に戦った経験があるからだろうか。

 

 少し思う。

 天使のスティーラは、ここで殺されたら転生するとか言ってたな、とか。

 魔王いわく、天使は悪者らしい。

 俺はそうは思えないけど、嘘をついていたんだろうか。


 ・・・まあいいか。

 どうせ俺は死ぬ。

 すぐに分かるさ。


 そうして俺は目を閉じる。

 直後、ズシュッと体を裂くような音が聞こえた。


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