156話 光の記憶10
俺にはトラウマがある。
親しい子供が2人、目の前で死んだことだ。
悲しくて、辛い経験。
俺は砂漠にいたんだ。
何故かは覚えていない。
だが、そこでは悲しみが渦巻いていたことだけは覚えている。
平和な国から抜け出したこと。
世界へ逃げたこと。
大切な人に出会ったこと。
俺は忘れないつもりだったのに・・・
殆どが思い出せない。
置いてきたのだろうか?
どこかへ。
旅は面白かった。
孤独な時が多かったが、自分と向き合えた。
だから、孤独の時間は大切だ。
仲間がいれば、心強いだろう。
だが、それでも1人で俺は生きなければならなかった。
失ったからだ。
大切なナニカを。
喪失感だけが俺を満たす。
だから、それを埋めるように血を浴びた。
殺し、殺し、殺し。
そして、復讐。
何もなかった。
俺には、何も。
俺を救ってくれたあの尊く温かい手はもうない。
旅立ってしまった。
俺は、またいつか会えるのだろうか?
会いたい。
それが出来ないと分かっていても、会いたい。
俺にはそれだけだった。
他には何も願わない。
俺は、孤独だ。
孤独だったんだ。
ガガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガガガガッガガッガガガガガガッガアアッガガガア!!!!!
辛かった。
僕は虐められていた。
理由は分からない。
殴られて、蹴られた。
痛かった。
お母さんはいなかった。
お父さんは僕を捨てたと聞いた。
悲しかった。
生きるのが辛いと思った。
どうしてみんな、僕をいじめるの?
辛いよ。
助けてよ・・・
ガガガガガガガッガガガガガガガガッガガガガガガガガッガ!!!!!!!
ラララ~
ララララーラララ~
ララララーラララー
ラランララン~
ラララララ~
その歌を思い出した。
懺悔と共に。
どうして俺は生まれて来たんだろう?
この世が存在するのは何のため?
神様は本当にいるの?
どうしてみんな分からないの?
教えてと言っても、誰も教えてくれない。
みんな黙るか、殴るかだった。
なら、自分で探すしかない。
俺はそう思った。
ガガガガガガッガガガガガガッガガガガガガガガアアアアアアアアアアアアア!!!!!
みんな死ねばいい。
こんな生物はこの世に存在しない方がいい。
だってそうだろ?
戦争なんて始めて、結果は何も残らない。
それを何回も体験しているはずなのに、また繰り返す。
宗教、金、個人。
それらのために。
地球が疲弊しているのを感じるんだ。
そろそろ休憩させてあげないと。
きっと困っている。
俺は地球の代弁者。
人間と地球のコーディネーター。
何故、こんな力を俺は手に入れた?
そうさ。
変えるんだ。
俺が、この世界を。
変えてみせる。
彼女のために。
アリアのために。
ああああああああああああああああああああああああああ。
記憶が混濁している。
光が俺の魂から引き出しているのだ。
形はない。
光は不定形。
運ぶ者。
それは記憶すらも運ぶ。
表出させる。
隠された真実。
闇は隠し、光は暴く。
闇は減らし、光は増やす。
闇は止まり、光は進む。
相反する性質。
それは芽生えた意思も同じで・・・
「કાલેwêreld바꿔扑灭・・・きっと」
うあああああああああああああああああああ!!!!!
痛い!!
頭に純粋な言葉?が侵入してくる。
原初の意思疎通。
それは生命の使う既存の言葉などではなかった。
記憶。
それだ。
それだけだ。
世界の記憶が頭に入ってくる。
そして、様々な言語が俺に蓄積されていく。
それはあまりに膨大過ぎて、死にそうで。
記憶は記憶でしかない。
この世や生物に影響を及ぼすものではない。
だが、これは違う。
力を持った記憶だ。
故に言語として成立する。
ただし、意味不明。
何が言いたいのか分からない。
痛い。
それと、不協和音。
俺の感覚はそれだけを拾う。
そして、俺は痛みに耐えられず、ブツリとテレビを消すように意識を失った。




