136話 光の記憶9
俺が本気でこの世界に対して思ったこと。
それは、外の世界に逃げたいと思ったこと。
それが叶わないのなら、死ぬこと。
その2つだった。
願いはその2つだけ。
他には何もいらない。
俺が逃げたいと思ったのは、生きるのが苦しかったからだ。
水中の中で、窒息しそうな感覚。
なんで俺の周りの人間達は、こんな世界で生きられるのか、純粋に不思議だった。
人間は群れる。
猿みたいに。
元は猿だったから。
けど、俺には人間と猿の区別はつけられていない。
知能は人間が遥かに上。
文化的だし、狩る者としての素質も人間が上だ。
なのに・・・俺には、人間は猿と大して変わらないように見えた。
知性で塗り固められた醜い欲望。
それが世界をどんどん飽和していく。
どうしようもない袋小路だった。
人間は何のために生きているのか分からず、分からないが故に生きていく。
そして、社会で生きていくと、偽りの存在理由を見出し、そこで満足する。
世界をそうやって壊す分、猿よりもタチが悪かった。
群れる奴は嫌いだ。
人間は嫌いだ。
この世界も嫌いだ。
・・・俺は逃げたかった。
俺を誰も知らない土地へ。
俺が知らない土地へ。
・・・異国の地へ。
そこら辺でヘラヘラ笑っている奴らみたいに俺もなりたかった。
こんなこと、考えずに俺も加わりたかった。
若い連中みたいに。
普通に学校へ行って、進学して。
部活へ行って、友達と遊んで。
彼女を作って、デートして。
そしてやがては就職して、結婚して。
そんな日常を歩んでいる同年代の若者達が、超えられない壁の向こう側の存在に思えていた。
知らないことは罪だ。
無知は罪。
だが、知らなければそれは幸せだ。
・・・俺は幸せに生きたかった。
ガガッガガガガガガガガガ!!!!
神は言った。
満ちるべきは祖と子の繁栄なり。
3つの意思はそれを理解せず、生命を作らなかった。
4つ目の意思が初めてそれを体現したのだ。
そして、呪いの拡散が始まった。
生命の呪い。
3つの意思が汚染され始めた頃、混沌は生命を拡散させるべく、次の手段を取った。
ガガガガガガガガッガ!!!
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