128話 光の記憶7
魂とは、例えると卵である。
生まれてすらいない未熟な存在。
守られるべき存在。
攻められるべき存在。
卵を狩ろうとする者は多い。
不純物が少ないから。
汚れた世に出る前だから。
この世に生きた経験こそが、孵化した自身の中身を汚す。
辛いこと、悲しいこと、苦しいこと。
それが負の汚物として魂に付着する。
神が寵愛に値する純粋さを秘めた卵。
何故、俺達・・・私達・・・僕達・・・ガガガッ・・・が、それを求めるのか。
この世に生ける全ての者は汚れている。
肥溜め以下だ。
だから憧れるのだ。
眩しい光に。
或いは自分達と同じ地の底まで、貶めようとしているのか。
いずれにせよ、宝石は宝石。
糞は糞。
宝石は糞になれないし、糞は宝石になれない。
もし、糞から宝石に生まれ変わりたいのなら、生まれ変わるしかない。
幸い、この世にはそういうシステムがある。
輪廻転生?
確かに、それと似ているな。
だが、似て非なるものだろう。
階段を上ること。
上りきった先は神か?
全能神?
仏?
いいや、違う。
神は1人。
そして太古の昔に死んでいる。
もう神は現れない。
神の代行者達こそが、神の意思を体現している。
黙して語らず。
ただ、体現するのみ。
役割を果たす者。
邪魔者は1つ。
根源も1つ。
転生の果てに行き着く先は、世界を照らす代行者の眷属。
眷属は支える者を支える。
世界を支える。
救うことで救われる。
自身の存在意義を知らないが故に。
他の全ては知っている。
愛も、希望も、心も、光も。
そしてその逆さえも。
世界は本来変わらず。
異変をきたすことは、救いの対象になるということ。
世界の安定化。
安定こそが救い?
混乱は絶望?
両者の均衡は?
矛盾の坩堝。
それこそが・・・
神の体現者達とコンタクトを取れる唯一の存在として、救いを代行するが、バランスを取るための管理もしている。
理由は神のため。
神の意思のため。
何故するのかは分からず。
何をするのかだけを考えて。
過程より結果。
それが全てだと、誰かが言ったのを眷属達は知っている。
知っているだけ。
が、それで十分だった。
神は天にいまし、全て世は事もなし。
そうであればよかった。
そうあるべきだった。
何のために俺・・・私・・・僕・・・ガガガッ・・・は生きている?
これじゃあ神のために生きているようなものか?
神って奴はなんでこんな世界を作ったんだよ?
なんでこんな苦しい世界を生きなくちゃならない?
何の意味があって・・・
疑問。
疑問疑問疑問。
何故?
何故何故何故?
何の為に生きている?
何の為に生きてるの?
何の為に生きているのよ?
何の為に生きているんだ?
何の為に生きているのさ?
何の為に生きているのだ?
何の為に生きているのかしら?
・・・何の為に生きてるって言うんだよおおおおおお!!!!!!
疑問の末、俺は光から解放された。




