俺って、本当に最低だ。
引き上げられたのは、魚でもなければ、俺の思っていた魚を模したモンスターでもなかった。
「蛇ィィッ⁉︎」
いや、明らかに大きさがおかしい。
海蛇だと言ってもいいがまず胴回りだけでも4・5mは軽く超えている。そして、体長…
グルグルと塒を巻いているのにまだ海の中に続く長さが有る。
「ギャァァァァァァ」
甲高く不快な叫び声を海蛇のような生物が発した。
これじゃぁ、まるで『大海蛇』だ。大海蛇は現実世界では海洋で目撃、あるいは体験される、細長く巨大な体を持つ未確認生物の総称であって今回のように海蛇のように特定の生物を指すものではないが、とにかくこんなようなものだと言うのが俺の中での認識だが…
正体が特定されたものはほとんどないが、目撃例は中世以降多数存在する。中世から近代にかけての目撃例などを制作サイドが模して制作したのがこのモンスターと言われれるのが一番しっくりと来るか。
「みんな!大砲の準備だっ‼︎」
「おぅ‼︎‼︎」
管領以外の全員が返事をして大砲の準備に取り掛かる。
玉を装填し終えたところで、肥前の熊が叫ぶ
「発射できないよっ⁉︎」
「なんだって⁉︎」
何故だ?
…まてよ
大砲ってひょっとして発射するのには
【銃師】関係の職業じゃ無いと発射できないんじゃなかったっけ?
うわ…
とんだ無駄な装備かつ、この戦いにおいて最悪の状況だよ。
今回の漂流と言い、俺はいつも感じなところでミスするんだよな…
「【急所射撃】」
横で、管領が一生懸命戦っているのにもかかわらず、俺は一人その場に膝から崩れ落ちた




