大陸艦隊戦〜余興3〜
「おらオラァァ‼︎」
「っ…」
叫び声をあげながらデタラメにトンファーを振り回したり直接殴りつけてくる紅蓮さんに思いの外俺は苦戦していた。
今までのモンスターの戦闘や対人戦闘において俺は、【高密度結晶化】を惜しみなく使うことによって自分に優位に進めてきた。
だが、ここに来てただの肉弾戦に持ち込まれてしまったのだ…
確かに、俺はある程度の相手には勝てる腕っ節が自分にあると自負していたが、この人は喧嘩が強いとかどうとか言う次元の話ではない…
紅蓮さんはただ単純にデタラメすぎて動きが読みきれねぇ…
これに尽きる。
人は普通どんなことをするにしてもパターンが生まれる。喧嘩の殴り方にしてもパターンが生まれるはずなのだ。それを読むことができればほぼ相手を無力化することができる。
なのに、この人にはパターンが存在しない。
デタラメすぎてパターンも何もない…
やれる攻撃の組み合わせは全て繋げてくる。
それに加えて、ついさっきまで繋げていた技の繋げ方を俺が想定するとまったく別の技を繋げてくるし…
「グハハハ、貴様もあの技を使えないとなるとこの程度なのかぁ?えぇ?」
「ちっ!」
しかも紅蓮さんはいちいち俺を苛立たせる。
ここは、隙をついて【発勁】をぶち込むしかない…か?
「ウルァァ‼︎‼︎」
紅蓮さんがアッパー気味に右拳を突き上げる
俺はなんとか体を捻ることによってそれを交わす。
今しかない‼︎
「【発勁】‼︎」
これなら、防ぐすべはないはずだ。
この勝負俺がもらったぜ‼︎
俺の手が紅蓮さんの腹に届く寸前、
「【棒御】」
バチィン
またしても、俺のアーツは紅蓮さんのアーツに防がれる。
それだけでなく
「フフフ…ようやくかかったか、【舞】」
その瞬間デタラメな動きをしていた、紅蓮さんの腕が急に規則正しくかつ、滑らかな動きに変わる。
そして、俺は今どんな避け方をしても射程から抜け出せないほど接近してしまっていた。
「【カウンター】っっ‼︎」
俺は、なぜか本能でこれが無駄な抵抗であることを悟りながらこの攻撃を避けるためにアーツを発動させる。
一瞬で紅蓮さんの裏を取ることに成功する。
体が勝手に動いて一撃かまそうとする。
でも、俺は内心、心の中で焦っていた。
早く逃げないと…
次の瞬間、俺の体は宙に舞っていた。




