大陸艦隊戦〜余興2〜
カチャ
スタスタ
管領は俺から距離を取るために俺に銃を向けたまま後ろに下がる。
もし、ここが遮蔽物の多い林の中や街の中と言った場所であるなら距離を取られた時点で俺の負けだ。
しかし、このフィールドなら、話は別だ。
ある程度距離を取られても弾を弾けさえすれば防戦一方になる事もないし逆にジリジリ追い詰めることもできるしな…
まぁ、ここは地の利を活かして俺が優位に勝負を進められる所だ、それに俺には高速移動もあることだしな。
「いきなり逃げてんじゃぁねぇぇよっっ‼︎」
俺は、後ろに移動を始めた管領に向けて全力で駆け出す。高速移動は、使わない。
あれは、この勝負の奥の手だ。
「チッ!」
管領が、接近する俺に牽制するために引き金を引く、それと同時に俺は水晶化させた右腕を振りかぶり右ストレートを放つ準備をする
その寸前
ガキィィィィン、という音を立てて紅蓮さんが俺と管領の間に転がり込んできた。
「ッ⁉︎」
「【右ストレート】ッ⁉︎」
結果、止めることのできなかった俺の右ストレートと管領の牽制射撃は…
パスン
ドゴォォン
二発とも紅蓮さんに直撃する。
一気に、紅蓮さんのHPが減ってもう今や半分ほどになってしまった。
「て、テメェら…邪魔する気かぁ?あぁ?」
紅蓮さんは、俺と管領を交互に睨む。
まぁ、突っ込んできたのはあなたの方なんですけどね…
「人の獲物を横取りするとは…貴殿達はやはり頂けないですね…」
紅蓮さんを吹き飛ばした張本人のハ・デスの野郎も俺たちを交互に見ている。
「なぁ、多分俺たちの勝負…」
「あぁ、一時休戦だな」
俺と、官僚が休戦の確認をするのと同時に紅蓮さんが俺にハ・デスが管領に向けて駆け出してきた。
紅蓮さんの武器は電撃を纏ったトンファーだった。かなり俺と似通った射程範囲の武器だから本当の肉弾戦になるだろうな…
「ハッハッハ、これが避けられるのかぁ?」
俺に長い部分を向けて、あまりにも不規則かつ不細工な動きながらもトンファーで俺に練撃を浴びせようと振り回してくる。
正直この程度なら喧嘩慣れしてりゃぁ当たることもない。そう…いつかの人の名台詞のように当たらなければなんともならんものだ。
「【打突】っぅぅ‼︎」
でたらめに繰り出されていた攻撃から急に綺麗な突きが飛んでくる。
「んなっ⁉︎」
ゴフ
俺の鳩尾にクリーンヒットする。
ダメージは大してでかくないけど体にかかる痛みとしてのダメージは鳩尾を突かれた分大きい。
くそ、でたらめ過ぎて油断してたな…
アーツの技はでたらめも何も補正が入って綺麗になるからな…
それに、電撃を纏っているのが俺を感電させたのか少し指先がピリピリする。
「ちくしょ」
気がついたら、俺の水晶化が切れていやがった。
再度、水晶化を図ろうとする。
だが…
「な、なれない…だと?」
「フハハハ、この武器の電撃の付与効果は特殊スキルと呼ばれるスキルを一時的に使用不可にすることだ。さぁ、どうする?」
こいつ…
前回暴れた俺たち特殊スキル持ちのプレイヤーを潰すためにこんな準備をしていやがったか…
まぁ、でも勝てない相手ではないよな。
「そうか…じゃあとっとと終わらせるよ。
【高速移動】からの【発勁】」
「【棒御】」
バチィィン
「おいおい…嘘だろ?」
俺の、全身全霊を込めた決め技は、見事にトンファーに受け止められた…
あれ?
もしかして、俺ってピンチ?




