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苦手な方はご注意ください。

異世界転生(笑)シリーズ

憧れのエルフに転生しました。

作者: ニコ

 ドンッ、という衝撃を体に受けて気が付いたら、倒れている自分の体を眺めている自分に気がつきました。なんか大量に血が流れてるし、手足は変な方向に曲がってるし、出ちゃいけないモノがはみ出しちゃってるし。あちゃーこれ死ぬわ。って思ったら自分赤ちゃんになってるし、びっくり!!えー、こういう場合って、神様的存在が出てきて、「君の死亡時期は間違いだったよー異世界で人生やり直していいよーチートもおまけに付けとくYO!」というお約束の展開が待ってるんじゃないの?!気持ちを整理する時間もなかったし、説明もないし、これって、ただ普通に生まれ変わっただけじゃね?よくあるじゃん、前世をう~すら覚えてる人。大人になるにつれて、その記憶が薄れていくパターンのやつ。え~なんか残念。っていうか、赤ん坊をこんなところに放置しておくのはいけないんじゃないでしょうか!虐待ですか?それとも捨てられたんですか?!





 時は過ぎ、成人しましたリューネ(女)です。口が悪かったから男だと思ったでしょ?違うんだな~、今や絶世の美女ですよ。肌は光に透けるように白く、髪は太陽の光を浴びると銀糸に見えるような金色で、腰まで流れるように長く、瞳は深緑、すらりとした肢体、胸はこの種族にしてはある方。そう!私が生まれ変わったのは、エルフだったのです!!いやー、前世で指輪○語でエルフの彼にはあはあ…じゃなく、美しさに憧れていたけど、まさかのエルフに自分がなっていたとは!神様ありがとう!!ちなみに前世の記憶も、なんとな~く覚えてます。なんでだろ?

 あれ?赤ん坊になってる?!と気がついた時、私は大きな木の根元、寒くないように葉を敷き詰めた上に寝かされていた。肌着を着ていたけど、こんな森の中の木の下に置き去りにするなんて、凍えて死んだらどうする?!と怒った。自由にならない体をバタバタさせて。でも何故か寒気を感じず、むしろ体を包みこむような暖かさにウトウトして、寝てしまいました。今思えばなんという無謀さ。もしかしたら、森にすむ動物に喰い殺されるかもしれないというのに!で、次に目を開けたら、目の前にめっちゃ美老人がいました。光り輝くような美しさに、うわぁぁぁぁーーー目が、目がぁぁぁぁ~~~っっ、となって泣いてしまいました。

 なんでも、この世界を見守る樹から生まれたのが、私らしい。まぁ、生まれたのは私だけじゃなくて、エルフがこの樹から生まれるんだって。え゛、エルフって植物人間?なの?光合成するからキラキラしたるの?衝撃の事実!エルフとエルフが結婚して、ごにょごにょしたら子供が出来るわけないんだって。っていうか、行為自体エルフにはないみたい。エルフ社会では、地を這う獣がすることで野蛮と考えられているのだ。





 最初は憧れのエルフになれたよ~、と嬉しかったけど、理想と現実は違うよね。




 

 まず、エルフは基本的に森からでない。他種族との交流も、基本的には禁じられている。なんでも、この神聖な樹を守らなければならないから。エルフは所謂引きこもりだったのだ。残念!エルフがいるんだからこの世界はきっとファンタジーだし、人間以外にダークエルフとか、獣人とか、ドワーフとか妖精とかいるんだろうな~っていうか実際にこの目で見る!と息まいてたのに、引きこもり種族。掟に背いたものは、森を追放となるのだ。本当に、残念!

 次に、エルフはみな美形であること。男女関係なく、すっごい透明感。女優なんて比べ物にもなりゃしねぇっ!て感じ。みんな○輪物語。私は自分が絶世の美女になった~♪やった~♪♪♪と浮かれていたけど、周りがキラキラしい美形であると、自分はわりとエルフの中でも平凡な顔をしているとある日気づいてしまった。すっごいショックだった。……残念っ!!

 エルフは基本外に出ないから、自給自足。狩りをするために、男女の差がなくみんな弓の名手である。…私を除いて。そう、私は運動音痴だったのだ。仲間が軽やかにと獲物を追って森を駆け抜けていけば私は樹の根に躓き、弓を引けば6割の確率で外す微妙さ。そのかわり、エルフでは珍しく魔術が使用できるのだけれど、一回失敗して森を焼き尽くしそうになってから長老に魔術禁止令を出されているので、みんなの役に立たないし。………残念!!!

 あんまりの役立たずっぷりに焦った私は、薬草畑をせっせと耕してみたり、薬を煎じてみたり、刺繍をしてみたり、料理を頑張ってみたりしたけど、どうなんだろう?みんな美しい微笑みを浮かべてらっしゃるだけなので、分からない!表情が読めない!!もしかして、このクズッ!!!って思われてるのかも、と思っている今日この頃。





 役立たずな私にも、最近他種族の友達が出来ました!え?外界と接触しちゃいけないんじゃないか?って?…バレなきゃいいんだよ!

 





 彼の名前はルーカス。血まみれの状態で樹の目元に倒れたのを発見した時はびっくりした。何時もの如く、仲間と狩りに出ていた時樹の根に躓いて派手に転んで、顔を上げた時目の前にルーカスはいた。狩りに出ると怪我をするのでいつも持っている薬草で応急処置をした。血を手ぬぐい(自分もよくすりむいて血を拭うのに持っている)で拭き清めた時、彼の肌が黒いことに気がついた。外見がエルフそのものだったし、血まみれだったのでわからなかったのだ。彼はダークエルフだった。

 目覚めた彼といろいろあり、仲良くなるまでに時間がかかったが、今では大親友と言えるのではないかと思っている。たまに彼が、俺とピーしようぜ?俺ら次の段階に行ってもいいとも?!ってジョークをかましてくるほど仲がいいのだ。




 まぁ、いろいろと残念なエルフライフだけど親友も出来たし、仲間も見捨てずにいてくれるし、いい感じに過ごしている。生まれ変わった当初は、前世の記憶を持っていたせいでここの常識との差で苦しんだり、後に残してきた両親や友達、大切な人を思っては泣いていた。こんなに苦しむなら前世の記憶なんていらない、と思ったこともあったけど、料理とか刺繍とか今世で役立ってるし、他種族への偏見とか変に持たなかったし、いいこともあるな、って思ってる。

 いつか、この森を出て広い世界を見てみたい。私の想像している世界とは違って、苦しくて過酷な世界だったとしても、この安全な世界でしか見れないこと以上のモノが私を待っている。だから私は外に出ることを恐れない。その時、隣にルーカスがいればいいな、と私は思っている。

エルフを清廉潔白とするなら、ダークエルフは、横行闊歩(好き勝手に振る舞うこと)

エルフを一生魔法使い(あっちの意味で)だとすると、ダークエルフは、エロテロリスト。

主人公はエルフの間で男女のごにょごにょがないので、ダークエルフも同じエルフだし、無いな!と思っているので、ルーカスのは冗談に聞こえる。ルーカスは必死に口説いているが、報われない。また口説き方も下品。という裏話

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― 新着の感想 ―
[一言] ルーカス視点とか読みたいです!(*≧∀≦*) 続編はでませんか?
[一言] 面白かったです!!(^^ゞ ルーカスと仲良くなるまでとか、周りのエルフがどう思っているのか気になります♪ …
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