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あの日憧れの学園で。
20XX年、4月
私、奥山美帆は念願の佐倉井学園に入学した。
佐倉井学園は有名なエリート校で、入学するのにとても苦労した。
「やったー!美帆、同じクラスやで♪」
新しい制服に身を包ませ、こちらへやって来るのは
幼稚園の頃からの幼馴染の川村淳。
茶髪ロングのゆる巻きに生まれつきのブルーアイ。
お人形さんみたいで男子にもモテモテ。
しかも頼りがいがあって、私のよき相談相手。
「ホンマ!?嬉しいわぁ!」
私達の中学からこの学園に入学したのは私と淳の2人だけだ。
でも、淳と同じクラスなら安心だ。
「ていうかさ、なんかうるさない?」
淳が顰めた顔をしてそう言った。
確かにさっきからザワザワしていて落ち着きがない。
「何かあんのかな~?」
「どうやろうな。」
私たちは気になって声のする方へ向かった。