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He wants to become a hero. 3

「――まず」

応接テーブルの斜め向かいに腰掛けて、担任は思わせぶりにそう前置きした。

ここは職員室だ。職員室の入口から遠い方の隅だった。

あのまま帰るという選択もあったが、それをすることに特に有益な意味を見つける事が出来なかったから、俺は唯々諾々とついてきた。

まだ18時前後であるにも関わらず、職員室はガランとしていた。

あんまり好んでこの部屋に立ち入る事はない為イメージ先行になるが、もう少しにぎやかでもいい気がする。それとも、今日は何か行事があっただろうか。きょろきょろとする俺に特に関心を払わず、担任は言葉を続ける。

「――まず、大前提として「これ」にお前は本当になりたいのか」

指差す先には、俺が書いた進路希望調査用紙がある。我ながら汚い「英雄」の文字が少し歪んでいる。

「なりたいです」

今更撤回しても何もならないし、する気もなかったので、俺はそう答えた。

「……なれる訳ないだろう。と言いたい所だが……」

「言いたい所だが?」

なんだろう。この担任は今日はやっぱりどこかおかしい気がする。

「……お前のなりたい英雄というのは、個人に対する英雄でもいいのか?」

「どういう意味ですか?」

「だから、規模が小さくてもいいのかと聞いている」

何でこの担任はさっきから微妙に挙動不振気味なのだろうか。

「いや、そんなの聞かれてませんけど……まあいいです。俺はもちろん世界を救うヒーローになりたいです」

「そんなものなれる訳!!……いや、何でもない。そうだな。お前ならなれるよ」

「……馬鹿にしてるんですか?」

何だよ。ちょっとは俺の気持ちが分かる人かと思ったら。他の人より遠回しなだけで、やっぱり俺を、俺の夢を馬鹿にするのか。

「いや!!いやいや違うんだ。そうじゃない。立派な夢だと思うよ!!」

担任はあわてて取り繕うが、わざとらしくて余計に腹が立って来た。

「……もう帰ってもいいですか」

「い、いや、それは困る!!」

「困る?」

「ああ、いや、そのな。だから俺の質問に答えてくれ。世界のヒーローになりたいのは分かった――」

だからで繋がっていないが、もう早く話を終わらせたかったので、とにかく黙って話を聞くことにた。

「――それで、その第一歩として、先生の事を助けてくれないか」

「は?」

「つまり、その、頼む!! 先生を助けてくれ!!」

そういって担任は、土下座でもしそうな勢いで頭を下げる。

いやいや。この人本当に教師か? 説明が下手くそ過ぎるだろ。全然意味が分からないんだけど。

聞きたい事が色々ありすぎるが、取り敢えず尋ねる。

「何に困ってるんですか? クラスの和を取り持つとか、鶏の世話とか、そんなような事だったら委員長に頼んで下さいね」

「違う。俺は真剣なんだ!!」

「だから……もう。要領を得ませんね。真剣なのは分かりましたし、少し巫山戯た事も謝ります。だから質問に答えて下さい――」

下らない質問だったら帰ります。と続けるのはやぶへびになりそうなので止めて続ける。

「――何に困ってるんですか?」

「いや、その、何にというかだな」

相変わらず煮え切らない返事だ。本気で腹が立ってきた。

「すみません。先生。やっぱり話はまた改めて……」

「待て!! 待ってくれ!! 分かった!! 話すから!! 俺を助けてくれ!!」

助けるも何も、こっちはまだ話も聞いていないのだ。なんなのだろうこの担任は本当に。

「……取り敢えず、何に困ってるのか言って下さい」

俺がそう言っても、やはり担任はゆうに2分は黙り込んだ。もう何と言われようと帰ろうと俺が決意し、腰を浮かせたかけた時に、蚊の鳴くような声で、ようやく担任が言った。

「……娘が、誘拐された」

俺は、どんな反応も返す事が出来ず、中腰のまま固まっていた。おそらく、もの凄く変な顔になってしまっていたと思う。

前書きに書くと邪魔すぎると思ったためこちらにスペースを借りて。


プロットを練れよ。という自己ツッコミを入れたい。

本当に行き当たりばったりで書いているので、軸がぶれる事ぶれる事。

本当にすみません。(少なくとも自分が)読んでいて面白い展開を目指しています。こう書くと何か違う意味に取られる気もしますが。


設定のつじつまが微妙に崩れていたら、多目に見るか、教えて頂けると非常に有難いです。

前作の話になります。

「栞」(女)の一人称は「私」なのですが、読み返していくと、口調のせいで「僕」と書いてしまっている部分が結構あります。というか、栞があの口調であり、「私」という一人称である意味自体が後付けなので、そういう変な事が起こります。


上の一文はおおよそ独り言です。

つまり何が言いたいかというと、担任の性格がぶれすぎ、といいますか。

前前話を書いた時には、もうちょっと真面目な進路相談をイメージしてたんですが、この方が面白く出来そうだったので、変えました。


本当に未確定要素が多すぎですね。プロット、を書いた方がいいというのは分かるんですけどね。善処します。でもきっとそっちの方が面白い、という展開を思いついてしまったらプロットとか無視してしまう気もします。


はい、こんな愚痴(駄文)を最後まで読んで下さって本当に有難う御座います。


ゆるゆると続けていきますので、どうかこれからも読んで下さると幸いです。

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