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6. 卒業論文「備蓄米・飼料米制度改革による食料安全保障と財務効率の両立に関する研究」

1. はじめに


日本における食料安全保障の確保は、国内米の備蓄制度に依存してきた。しかし現行制度では、備蓄期間が長く、平時終了後の用途は主に飼料米への転用に限られる。このため、財務コストが高く、効率的な食料管理が困難である。また、補助金で生産される飼料米は、主食米に転用可能な多収米が含まれているが、適切な品質維持がされていないため間人間が食べられる状態ではない。


本研究では、飼料米を平時においても人間が食べられる品質で管理することにより、備蓄米を削減しつつ、食料安全保障を確保できる可能性を検討する。さらに、備蓄米の短期化により、業務用・ブレンド米として高価格で販売することで、財務効率を改善する制度設計について分析する。


2. 研究目的


本研究の目的は以下の通りである。


日本の備蓄米・飼料米制度の現状と課題を整理する。

飼料米を人間が食べられる品質で管理した場合の備蓄米量削減の可能性を評価する。

備蓄米期間の短縮と用途転換による財務効率改善の効果を分析する。

制度改革による食料安全保障強化の政策的妥当性を検討する。


3. 文献レビュー

3.1 備蓄米制度の目的と運用

日本では、農林水産省が備蓄米を調達し、平時は業務用や飼料用、非常時は家庭用として活用してきた(農水省, 2022)。

備蓄期間が長期化すると、管理費用が増加し、財務負担が大きくなることが指摘されている(田中, 2019)。

3.2 飼料米制度と補助金

飼料米は、非常時の主食米転作を期待して補助金が支給される。

多収米の一部は平時でも人間が食べられる品質を維持しており、実質的に「潜在的主食米」としての役割を果たしている(佐藤, 2021)。


3.3 食料安全保障と財務効率

食料安全保障は、備蓄量の確保と流通の柔軟性が鍵である(鈴木, 2020)。

財務効率向上のためには、備蓄米の短期化や高価格用途への転換が有効であると報告されている(中村, 2021)。


4. 研究方法

本研究は、制度シミュレーションと財務試算による政策分析を行う。

現行制度と改革案の比較表を作成。

買い入れ量、備蓄期間、用途、販売単価を基に単年収益・財務差額を試算。

飼料米を人間が食べられる品質で8月末まで管理した場合の備蓄米削減効果を評価。

制度改革による収益性改善と食料安全保障への影響を考察。


5. 分析・結果


5.1 現行制度との財務比較(単年)

現行制度:備蓄米20万トン、飼料米転換、販売単価120円/kg

単年販売収益:20万t × 120円/kg = 240億円

買い入れ費用:500億円、管理費:4億円

財務差額(収益 − 買入 − 管理):−264億円


5.2 新制度案(飼料米の品質維持+備蓄期間短縮)

備蓄米25万トン、3年物

販売単価:業務用200円/kg、家庭用250円/kg、フードバンク2%

単年販売収益:490億円

買い入れ費用:625億円、管理費:5億円

財務差額:−115億円


5.3 制度改革の効果

単年ベースで赤字幅は現行制度の半分に改善。

飼料米を人間が食べられる品質で維持することにより、備蓄米総量を削減可能。

3年物備蓄米を業務用・ブレンド米に転換することで収益性向上。


6. 考察

飼料米を平時から人間用品質で管理することにより、備蓄米量の最適化と財務効率改善が両立できる。

備蓄期間を短縮することで、平時終了後は業務用やブレンド米として高価格で流通可能。

非常時には8月末の需給判断に基づき主食米として活用可能であり、食料安全保障も確保できる。

補助金支給とJA・指定機関による品質管理制度を併用することで、農家や地域経済への影響も緩和される。


7. 結論

本研究により、以下の結論が得られた。

現行制度における備蓄米長期化は財務効率の低下を招く。

飼料米を平時から人間用品質で維持することで、備蓄米総量の削減が可能である。

備蓄米の期間短縮と用途転換により、平時の収益性を向上させつつ、非常時の食料安全保障も確保できる。

政策としては、財務効率改善と食料安全保障強化を両立する有効な制度改革案と評価できる。


8. 今後の課題

品質保証・管理体制の整備とJA等指定機関への負担軽減策

非常時判断ルールの明確化と周知

財務試算の精緻化、地域別需給シナリオ分析


参考文献(例)

農林水産省. (2022). 「米の備蓄と食料安全保障に関する資料」

田中一郎. (2019). 『日本の米備蓄制度の課題』農業経済学研究, 45(2), 23-38.

佐藤二郎. (2021). 『飼料米補助金と主食転作可能性』農業政策レビュー, 12(1), 45-60.

鈴木三郎. (2020). 『食料安全保障の観点から見た備蓄米制度』政策科学, 28(3), 77-91.

中村花子. (2021). 『備蓄米制度改革と財務効率』農業経済研究, 50(1), 11-29.

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