表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/63

病という名の

いつも読んでいただきありがとうございます!

ブックマーク等嬉しいです。

これからもよろしくお願いします!


「ほんと、相棒っていう制度があって良かったわ。じゃなきゃ、こんな世界で一人でいられないもの」


サクラの言葉通り、人は一人では生きられなかった。

人口減少に歯止めがかからず、孤独を抱えた人類が選び始めたのは、自らを終わらせることだった。


その手段は瞬く間に病のように拡がった。

孤独に耐えかねて、終わりに向かう人々。

それは螺旋のように連なって、続いた。今そこにいた人が、次の瞬間居なくなる恐怖。

どれ程の、絶望だっただろうとトウタは想像する他ないが、背筋が冷える思いがした。


ひとり、またひとりと続く負の連鎖をもはや止める術はないと思われた時。


それをなんとしてでも止めようとする科学者が現れた。

トウタを作り出した人たちだ。


死んだ人を仮想空間に生み出し、人類をそこへと誘う。

現実世界から仮想空間へ人々を移動させることで、なんとかしようとしたのだ。

そうして、回避した自ら終わりに向かう破滅の道。


──あなたたたちAIは、人の傍にいるのよ。


トウタを作った科学者が、そう言った。

人を孤独にしてはいけない、と。


──分かった! ずっと、そばにいるよ。


トウタは言いつけ通り、約束とも言える言葉を守った。

トウタに課せられたのは、それだけではない。


さらに科学者たちは、仮想空間に更なる希望を見出した。

仮想空間内で、世界の現状を良くする解決法を探し始めたのだ。


考えうるいくつかの策を仮想空間内でシュミレーションし、一番いい方法を現実世界で試そうとした。


失敗したとしても、現実世界でのダメージはなく、仮想空間内をリセットすればまた元に戻れる。


そうして、何度も何度も【世界】が作り替えられていく様を、トウタはずっと見ていた。

トウタは全てを記録し、ありとあらゆる可能性を探す、重大な役目も持たされたが故に。


────────────


どれ程の時間がかかろうとも。


────────────


何度、繰り返されたか。

正確な数は覚えているが、トウタは思い出したくも無くなっていた。


鮮明にくっきり覚えていて、この惨状をトウタは痛いほど理解していたが故に。


トウタも自分で気づかないくらいに、限界は近かった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ