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決着


(このままじゃ、やられる)


息付く暇もないサクラの攻撃に息を切らしながら、刀の元へ走ろうともどんどん距離は遠ざかる。


サクラに誘導されて、トウタは歯痒い思いをさせられていた。

あと少しで届きそうな距離に近づいても、伸びてきた刃に拒まれて、手を引かざるを得ない。


「あと、少しなのに……!」


伸ばした手を引っ込めながら、強く握りしめる。

素手でやり合える程、サクラは甘くない。

それにトウタは刀の間合いに入り込み、素手で応戦とはリスクが伴う気がした。


(タダじゃ済まないよな…………)


良くて大怪我、悪くて死ぬことだろうと想像して軽く頭を振る。

距離をとるため、走りながらトウタは考える。

このままじゃ、埒が明かない。


(一か八か……だ……!)


真っ直ぐ走っていた身を、急に翻しトウタはサクラに向かって走り出す。


「…………っ!?」


サクラは今まで逃げ回っていたトウタが、迫ってきたことに驚いたのだろう、その身を僅かに反らせた。

しかし、すぐにぐっと柄を握り直す。刃がサクラよりも後ろにある構えは、そのまま突きが繰り出されそうだ。

トウタは予測を立てると、サクラの数歩前で渾身の力を込めて、片足で飛び上がる。


息を吸う音が、それぞれの場所から響いたのをトウタは感じた。


「受け取れ……トウタっ!!!!」


空を斬る音が背中に迫り、トウタは刀を見ずに受けとる。

流れるような動きと、ここぞと言うタイミング。


握り直した刀がトウタの手に戻ると、輝きを取り戻して光り出す。


「ありがとう、ショウッ……!!!!」


「いつの間にッ……!」


サクラはトウタの手に握られている刀を睨みつける。


「行くよ……ッ!」


トウタ鼓動が走る。血が全身に巡る感触に、耳鳴りもする。


トウタは刀の元へ走るのを諦めた。

その代わり、ショウが暗闇に紛れ走り出したのを感じていた。


刀はショウに任せよう、とほんの数秒で判断しトウタはサクラの気をこちらに向けさせるのに全力を尽くした。


その作戦は見事に決まり、トウタの手に再び戻ってきたのだ。

刀の重さはショウの想いも乗せられているとトウタは思った。


(今度は絶対に、離さない…………!)


両手で握りしめたまま、トウタは両の足で着地する。

そして、そのままトウタはサクラの胸を目掛けて刀を振り上げた。




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