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目が眩むほどの光と姿なき者


一寸先は闇とはこのことだろう。

目の前の手のひらさえ朧気になるほどの暗闇を、トウタは経験したことはなかった。

これほどまでに光がないことが怖かったことなんて一度もない。


無意識に体が震え、この闇を拒絶し始めた時だった。


正真正銘の暗闇の中に、ざざざ、というノイズ音が走った。その耳障りな音に微かにトウタは顔を歪めると目の前が真っ白に染まる。


「っ………………何………………?」


余りの強い光に焼かれ目が潰れそうだ。

トウタはその光に耐えられず、手で光を遮りながら目を薄く開く。


すると、近くにショウとヒカリ、ケイとチカも座っていた。照らされた自分たちの影が後ろに長く伸びている。

みんな無事、ということにほっと胸を撫で下ろすトウタだったがこの状況はなんだ、と冷静に考え始めた。


どうやら光は上方向から降り注いでいるらしい。が、上を見あげても天井らしきものは見えない。


「というよりも、ここ…………どこ?」


トウタはここがさっきまでいた商業施設ではないことに気がついた。

降りてきた階段も、並んでいた店も跡形もなく消えていた。

すべて消滅したように、黒く塗りつぶされていた。


現実ではありえない光景に、トウタは息を忘れた。


「な、なんで? どういうこと?」


ヒカリも驚きの声を上げる。どうやら彼女も気づいたらしい。

ショウも一言も発さないが、驚いて固まっているようにトウタには見えた。


ただ、ケイとチカは驚いた様子ではなく、頭を垂れて拳を握りしめていた。


「ねえ、何か知って…………」


二人が事情を深く知っている、と直感したトウタが口を開き──。


「計画を再び破綻させるつもりか……!!」


初老の男の怒声に、掻き消された。

びりびりと震える空気が、男の怒りを物語っているようで、トウタは思わず身を小さくする。

トウタの背中に冷たい汗がつつっと流れ、震えていたがふと目をやった、ケイたちは更に縮こまっている。


身を寄せ合いまるで、身を守っているようでトウタは警戒を強めた。

もしかしたら、この人物から助けて欲しい、と言ったのかもしれないと思ったのだ。


この二人を怖がらせる人物に、トウタは立ち上がりながら意を決して叫ぶ。


「あなたは誰ですか。姿を現したらどうなんです?」


姿なき者に恐怖すれど、立ち向かわない理由にならない。

トウタは必死に、姿なき男に面と向かって立ち向かう。



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