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第一話 異世界に迷い込む

深夜の研究室には、機械が発する低い音が鳴り響く。

俺は今歴史に名を残す世紀の大実験中だ。


そう「タイムトラベル」を可能にする装置の実験中なのだ。

俺の計算が正しかったら個々のダイアルを回し行きたい年代のことをイメージする。

イメージが最高限度まで達すると行きたい年代に行けるはず。


今回俺が行きたいのは幕末の時代だから幕末をイメージしよう


タイムマシン(仮)に乗り込み幕末をイメージ、、、

(新政府軍が、、、 西郷隆盛と大久保利通、、、、 桜田門外の変、、、、   ……あの異世界転生物は完結したんだっけか?)


とたん部屋は真っ白い光に包まれた。



「ん…?、、、、、実験は成功だー! やったぞ!ついにタイムトラベルを可能にする装置が出来たのだ!」

でも何かおかしくないか?、、、江戸後期の日本の感じではない。

なんなら東京の実験室からここに来たのだから江戸として栄えているはずではなかろうか?

、、、見渡す限り建物一つない草、草、草、 なんだこの原っぱは?

江戸にこんなとこあるのか?


、、、しまったぁー!

順調に幕末のイメージをしていたが最後の最後で俺としたことが大好きな異世界転生物の小説をイメージしてしまったではないか!


となるとここは異世界?

まずいまずい、今すぐ現世に戻らなくては。


まずはダイアルを回して、、、


って本体がないじゃないか、代わりにあるのは時空魔法の詠唱の書と書かれた本が一冊


あー最悪だ、、


こっちの世界に来たとたん詠唱の方に変わるだなんて


となると俺は一生異世界で暮らすのか?

悪くはない、断じて悪くはない、が、嫌ではある。


「っとー? あなた誰ですか?」


人がいるだと⁉ってことはタイムマシン(仮:現在は詠唱書物である)を見られたってことだ。

やばいぞ歴史が変わってしまう恐れがある。、、、異世界だからそんなことは起こりえないが、


「ちょっとそこのあんたに言ってるのよ、なんか答えなさい!」


そっかそっか、自分のことで目いっぱい過ぎて話しかけられているのを忘れてしまった。

「ごめん、、、って女⁉」

たしかに自分のことに集中しすぎて声は聞こえていなかったが振り返ると絶世の美女! 15歳といったところだろうか、

「なによ、女って」

「ごめんごめん、ちょっとびっくりしちゃって、そんなことよりここはどこなの?」

「はぁ、君、頭を強く打ったのね、うちに来なさい。」


頭は打っていないんだが、、、




…目が覚めた、よかった、昨夜の出来事は全部夢か、、タイムマシンも俺の夢の中の妄想か、、、

「あっ、目が覚めた?君、丸一日も寝てるから心配で心配で、」

「たいしたことないよ、ただ、ちょっと悪い夢を見てただけ、、、、ぇ       嘘だろ、、?」

せっかく起き上がったが体に力が入らない。ベットに倒れこむとさっきの女の子が馬乗りしてきた、、

なんてことだ、やっぱり夢ではなかったのだ。


「もう一度聞くけどさ、ここ、どこなの?」

「もうっ、ほんとに強く頭をうったの?もうちょっと寝てていいわよ」


そうしたいところだが馬乗りされているんだ、寝れるわけがない。


はぁどうしたことか、タイムマシンは詠唱書物に変わるし

異世界に飛んできて挙句、年下の女の子に面倒を見られる始末。


いったい何なんだよこの世界は、、、


おいおいおい、嘘だろ、、馬乗りされただけでとんでもないのに俺の方に倒れこんできたぞ。


「そんなことやるなよ、てか親は?」

「親はいないから安心して、、あとちょっとだけ、、」


なんだよあとちょっとだけって、現世では全くと言っていいほどモテたことがなく科学に取りつかれた非モテ陰キャという感じだった俺が、色白の美少女にこんなことをされてるだなんて。 親がいないかぁ、訳ありそうだ。



「あのさ、一つ聞きたいことがあるんだけどさ、」


「ここってどこなの? でしょ  フフッ」

俺が言おうとしたことを彼女は見事的中させた。


「正解だけど、、」

「やったー!」

気の抜けた感じで笑って喜ぶ姿は実にかわいい。


「その質問三回目だけど、逆に聞くけど、君はどこから来たの?」


「………地球っていう星から、、」


「地球?なにそれ(笑) 、、、、地球? 今地球って言ったよね⁉」

「うん、、そうだけど俺がとこから来たか言ったからここがどこなのか教えてよ、」

「んっしょ、これ見て! ほらほら、これ!」


彼女は1000年以上前であろう考古学学者が持っていそうな古い「予言の書」と書かれた本を持ってきた。


「これみて、この本はうちの家系が先祖代々受け継いできた予言本なんだけど、、ほらほらこのページ」


「どれどれ、、『その時が来たら地球という星から勇者が召喚され、暗黒の中の一筋の光になるだろう』だってよ」

「ってことは、、、あんた、、、やっぱり勇者なのね!」


なんでか知らないがなぜ俺が勇者になるんだ。

おかしいだろ、、どう考えても。


「これ、裏にもまだ何か書いてないか?」

「うち実は字ぃ読めないからさぁ、、、読んでくんない?」

まったくこの年になって字が読めないだなんて、、、、ってなんで俺は読めているんだ?

謎だ、謎すぎる、、なぜここの住人でもない、ましてや此処の住人でも読めないようなものが読めるんだ?


まぁそれは良しとして、この後を読み進めていったら何かわかるかもしれないしな、

「『その勇者というものは時空の魔法をたくみに使い過去に戻り以前の神人の戦いにて大いに貢献し、人の世を平然と保つだろう』だってよ、」


時空の魔法というのはおそらく時空魔法の詠唱書物のことであろう。

なんだよ神人の戦いって、、俺がそんな戦争に巻き込まれるのはまっぴらごめんだ。


「なんなんだよ神人の戦いって、、」

「うちも一歳ぐらいだったからはっきりは覚えてないんだけど人族と魔族が暮らしているこの星に突如として神族が進行を始めたの。人や魔族は当然、神族に勝てるはずなく、、、勇者だったお父さんと回復魔法を使ってたお母さんが、、、、、ってな感じでいろいろあって今こんな感じ!、たまたま見つけた小屋に今は住んでるってこと」


「そんなことが、、一応聞くけど『神殺し』って可能なのか?」

「“一応”ね、でも実際できた人はいない、、なんてったて底なしの魔力と神王級の魔術を使えないと、、、悪いけどあなたじゃ無理よ、」

「無理じゃないさ、地球にいた時にさんざん『異世界ファンタジー』の小説を読んだんだ。魔法の使い方ならわかるさ」


まぁ見てろよ

「ふっっ、、、っはぁ」

すげぇ思ってた通りの魔術ができる!

ここをこうして、、、できた!

俺の左手の上に真っ黒の玉のようなものが浮いている、、、俺が使ったのは闇属性の魔法の中級だ


「あなたすごいのね、無詠唱でここまで、、、お父さんの杖が遺品としてあるからそれを使ってもっともっと強い魔術ができるようになれば『神殺し』だってゆめじゃないわ」


あぁその通りだ!

俺はヒトガミという神を追い詰めたル○デウスという魔術師を知っている。(地球の時に読んでいた小説の主人公だ)

彼の魔法をイメージし、自分のものにアレンジすれば爆発的な力になるだろう。


魔術を習得し過去に戻り『神殺し』を成功させてやる。

そうすれば彼女だって今より幾分も幸せな暮らしになるだろう。

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