好きと嫌い
雨の中を濡れないように
傘をさして歩いていたら
路の隅っこに
一輪の白い花が咲いていた
不思議な白さに引き寄せられ
近づいて傘を翳して
雨から守ってあげる代わりに
ぼくは教えを請うた
「なぜ雨は降らなければならないの?」
花は白い輝きで伝えてくれた
「あなたの嫌いな雨が私には好き」
ぼくの好きは・・・?
いつまでも続く雨音みたいな
終わりのない答えは
もうこれ以上聞くまでもないようだ
たくさん好きでいられるように
たくさんの嫌いを通り過ぎていく
嫌いを忘れるための好きが種となり
嫌いを嫌いなままに好きを咲かせた
その場所を
自由と呼ぶのだろう
読んでくださりありがとうございました。