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苦手な方はご注意ください。

【アビゲイル】 エキシビジョン 【漫才】

作者: 江保場狂壱

 

「どうも~、安部登志夫あべ としおで~す!!」


「どうもぉ、後藤繁ごとう しげるですぅ!!」


 安部登志夫は30歳のしょうゆ顔で、七三分けだ。ほっそりしているが背は低くウエイターの格好をしていた。


 後藤繁はスキンヘッドでロイド眼鏡をかけた30歳だ。全体にふっくらとまるっこい体格でこちらもウエイターの格好で、登志夫のほうが繁より頭一つ低かった。


「二人素敵なアビゲイルゥゥゥゥゥ!! アビビビビビビビビ!!」


 二人は両手を突き出して、先ほどのセリフを叫んだ。


「いやー、うちら今回エキシビションですよ。駅で尿瓶にションベンをひっかけるんですね。もう俺らに恥かかせたいのかよ!!」


 切れる登志夫。宥める繁。


「違うわ!! エキシビションは公式記録に残らないパフォーマンスだよ!! なんだよ駅で尿瓶にションベンするって!! でもうまいこというな~」


「そうだろそうだろ? 朝の通勤でトイレがないときに、活躍できそうだよな。俺は電車に乗らないけど」


「乗らないのかよ!! そろそろ離れろや!!」


 今度は繁が切れた。


「そうそう、俺たち予選落ちしたんですわ。なので本職のレストランでウエイターの仕事してたら、いきなり事務所からエキシビションに出ろと言われたんですよ。まったく副業なのに横暴ですな」


「いや本職は漫才だろ!! なんでウエイターが本職なんだよ!!」


「だって10年以上働いているし、そっちの方が給料高いんだもの。君だって俺と同じ職場で働いてるだろ。そう思わないのかい?」


「うぅぅ、実はそうだったりして……。だからってウエイターの格好のまま、ステージに上がる必要ないだろが!!」


「いやいや、事務所呼ばれたの一時間前だもの。着替える暇なかっただろ? 俺たちのカミさんだったら大変だったぜ、ふたりともバニーさんだからね」


 にやりと笑う繁。助平そうだ。


「そうなんですよ。うちらはバニーさんがウエイトレスしてるレストランで働いておるんですわ。もうバニーさんは最高ですよ。日常ではありえないうさ耳にしっぽが好きですね~。ちなみに俺の嫁は黒色で一番偉いんですね」


「ほほう、黒ですか!! さぞかし腹の中も真っ黒なんでしょうねぇ!!」


「そりゃあもうどす黒い色ですわ、客にボトルを何十本も売りつけるさまはまさに魔王……、って何言わせるんだよ!! 黒はバニーでは一番偉いんだよ!! 次は白かな。というか公衆の面前で何言わせるんだ!!」


 突如着信音が聴こえた。登志夫はズボンのポケットからスマホを取り出す。

 そしてスマホをいじると、絶望的な顔になった。


「あちゃ~、嫁からのメールだよ。帰ったら殺すからなと書いてあるわ!!」


「あっはっは、ざまぁないな!! お前のカミさんドスケベだからなぁ!! だってむちむちおっぱいをさらしてますからねぇ!!」


「何言ってんだ!! 俺の嫁は日本一のおっぱいだぞ!! 毎晩あいつの乳枕でぐっすり眠っているんだ!! 戦争したいのか!!」


「あっはっは!! 乳枕だって? 俺のカミさんは尻が最高なんだよ!! 毎日尻を揉みしだくから最近尻に後光が差したんだからな!! 最近はまぶしくてサングラスが必須だよ!! ちなみに白バニーで二番目に偉いんですわ」


 繁、うっとりとした表情で、わしゃわしゃと揉むようなしぐさをする。

 登志夫は激怒した。


「どんな尻だよ!! お前の嫁病院行った方がいいわ!! あと俺はおっぱいが好きなんだよ!! 尻なんか邪道だ!!」


「尻!!」


「おっぱい!!」


「尻、尻、尻!!」


「おっぱい、おっぱい、おっぱい!!」


「尻を知りたい、触りたい!!」


「おっぱい、ぱいぱい、パイナップル!!」


「許さん!! けつなだけに決闘だ!!」


 繁は切れた。顔を突き合わせていがみ合う二人。

 すると二人のスマホから着信音が鳴った。二人とも慌てて取り出す。


「嫁からのメールだ。いい加減にしろ。乳首に洗濯ばさみを挟む刑にするってさ」


「俺も今夜はお前ケツバットの刑だからと来たわ。そんなの俺たちにとってはご褒美なのにね!!」


「「ねー!!」」


 登志夫と繁は手を取りながら、ルンルンとスキップを踏んだ。


 再び着信音が鳴った。スマホを見る二人。すると絶望的な表情を浮かべる。


「二人合わせてお仕置きだってさ。俺の乳首に電流流すとありますわ!! 」


「ケツバットだけでなくフックもおまけつきですよ。すると幸せが二倍、いや倍の倍ですな!!」


「「サイコーですやん!!」」


 にっこり笑う

 

「「ありがとうございましたー!!」」

 いでっち51号さんの依頼で書きました。日曜日に書いて日を置いて修正してます。


 アビゲイルの二人は普段バニーさんのいるレストランで働いております。

 とある漫画ではバニーさんだけでなく、力仕事をするウエイターも必須なようです。

 バニーは黒と白がチーフらしく、一番下は色物のスーツと決まっているようです。

 ボトルも何本かノルマがあって、達成しないといけないらしいから大変そうですね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ∀・)爆笑しました(笑)(笑)(笑)もう怖いものしらずでありますね(笑)(笑)(笑)最終決戦でここまでの事をする2人をみたかったです(笑)(笑)(笑) [気になる点] ∀・)普段はレストラ…
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