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08 ロイヤル・アルバート・ホールの思い出

皆さま ご無沙汰しています。

いらしてくださりありがとうございます。

今月(2025年10月)15日から19日まで、34年ぶりにロンドンで大相撲が行われているのをご存知でしょうか? 今日はその会場であるロイヤル・アルバート・ホール(Royal Albert Hall)の話です。


プロムと言ったら皆さんは何を思い浮かべますか? もしかしたら、アメリカなどの高校卒業直前のダンスパーティー、プロムナード(promenade)を思い浮かべる方も多いかもしれません。


ロンドンに住んでいた時 プロム と言って思い出されるのは、日本で言うとNHKみたいな英国の放送局BBCが行う、「BBCプロムス(BBC Proms)」でした。

これは正式名称を「 BBC サー・ ヘンリー・

ウッド・プロムナード・コンサート(BBC Sir Henry Wood Promenade Concerts)」と言い、 夏、約8週間にわたって ロンドンのサウス・ケンジントン(South Kensington)駅から徒歩7分ほどのロイヤル・アルバート・ホールで 開催される、一連のクラシックコンサートです。


サウス・ケンジントン自体、自然史博物館、科学博物館、ヴィクトリア&アルバート博物館(最後のは絵画やキラッキラした宝飾品も多く、美術館と言ってもいいかも)が集まって建っている、ちょっと東京の上野みたいな所です。


で、ロイヤル・アルバート・ホールは、ヴィクトリア女王の配偶者でいらしたアルバート公の「芸術科学への理解等を促進するために利用される」建物という構想を、1861年のアルバート公の逝去後、彼の万国博覧会の協力者であったヘンリー・コール氏が具体化し建設された建物です。1871年に開館しました。


建物は、遠目から見ると、ローマの円形競技場コロッセオに三々九度の盃を伏せたようなざっくりドーム型の屋根を載せ、赤と白の帯の繰り返しに塗り分けた見た目で、どことなく愛嬌があります(個人の感想です)。

多くの赤レンガやテラコッタが使われているそうです。


上の方には、「芸術と文芸の勝利」というタイトルの、たくさんの人々が描かれている白いモザイク壁があり、これがあるだけで気品や威厳が加わり、芸術や文芸が人の営みであることがサブリミナルに感じられて建物への親しみが増すように思います。


オープン以来、各種博覧会、大衆に人気があったという日曜コンサート、審査員に『シャーロック・ホームズの冒険 』の著者アーサー・コナン・ドイルがいる ボディビルディングの大会 、プロレス、『007スカイフォール』など映画のワールドプレミア、様々なコンサート等が開催されてきました。


BBCプロムス(BBCサー・ヘンリー・ウッド・ プロムナード・コンサート)は1895年の開始以来 クイーンズ・ホールで開催されていましたが、クイーンズ・ホールが爆撃されたため 1941年から現在までは ロイヤル・アルバート・ホールで開催されているそうです。


といった知識も全くなく近くまで行ったらどうやらプロムスをやってるみたいだというので、とある夏の日、夫と私は初めて ロイヤル・アルバート・ホールに行ってみました。


すると、アリーナ席(立ち見)の当日券を安く売っているというではありませんか。価格はよく覚えていませんが、8ポンド(千数百円)らいだったかも。


駅で無料の新聞(タブロイド判 )を配布していたり、要登録で予約待ちもザラですが地域に無料のかかりつけ医がいたりする現在のロンドンの制度から考えるに、もしかしたら 19〜20世紀の貴族が、労働者階級も含めて人々を啓蒙するために、あるいは福祉的な意味も込めて博覧会やコンサートなどの催しを労働者でも安く体験できる場を作った面がもあるのかもしれない……と、昔の「ノブレスオブリージュ(高い地位に伴う義務)」に思いを馳せたりしました。今のところそういう面があったかは確認できていないのですが。


ともあれ、19世紀にも暑い中こうやってここで当日券を求めた人たちがいたかもしれないと思いつつ、列に並んでいました。

でもそんな想像はせいぜい数秒で、夫と私は、

「暑いねー」

「ほんとに」

「結構当日券買う人多いんだねー」

「思ったよりたくさん人並んでるなあ」

「列、蛇行しまくってるし。地元の人から見るとプロムスって夏祭りみたいな感じなのかな? あー、早く中に入りたい」

など生産性のない会話を繰り返すばかりでした。


ようやくチケットを買い、建物の中に入ることができました。

でも中に入っても列は続いていました。

途中で小洒落こじゃれたウェイティング・バーのようなところで着飾った男女がお酒を飲んだり サンドイッチなどをつまんだり している横を、食べ物のや飲み物の良い香りをクンクン嗅ぎながら何も飲み食いせずじっと並び、さらに通り過ぎなければならず。

そこは時間が非常に長く感じられました。


力尽きかけながらたどり着いたホール内部の華やかさは本当にすごかったです。座席やその周りは赤いビロードと金の装飾でオペラのアリアが聞こえてきそうな雰囲気。別空間だなと思いました。天井もとても高く、こんなに天井が高いホールに入ったことはなかったです。


コンサートは歌手さんの歌も伴奏のピアノやオーケストラの音もすごく綺麗に響いて楽しめました。


クラシックのコンサートをアリーナで立ち見するのは初めての経験でした。が、周りの方々がコンサートを楽しんだりクラシックだけれど音楽に乗って体を揺らしたりしているのも間近に感じられて楽しかったです。


ただいかんせん 体力的にきつい面がありました。

かと言って皆が靴で踏みまくっている床に直に座るのはちょっと抵抗があったので、周囲の、敷物を持ってきている方々にならい、途中からはスーパーマーケットの買い物袋であるショッパーを下に敷いて、脚の疲れが限界にくると時々 座っていました。


というのが 私のロイヤル・アルバート・ホールでの思い出です。

大相撲を15日から19日まで開催していると知りBBC ニュースの映像を見たところ、土俵の他、屋形というのでしょうか、つり屋根もちゃんとしつらえられていました。

赤いビロードの座席から大相撲を眺めるというのもなかなかおつなものだろうと想像します。


ロンドンは現在、日本より8時間遅れです。今日10月18日は 現地時間 19時30分(日本時間 3時30分)から、明日19日は 現地時間 14時 (日本時間 22時)から、ロンドンで開催されている大相撲のBBCによる放送が行われるようです。残念ながら私は日本から見られる手段がありませんが、ご興味と手段があれば。

ここまでお読みいただきまして、どうもありがとうございました。

ご来訪に心から感謝いたします。

よろしければまたお越しください。

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