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02 ロンドンの正月

いらしてくださりありがとうございます。

被災された皆さま、ご親戚や近しい方々が被災された皆さま、心よりお見舞い申し上げます。


 ロンドンの正月は、私が経験した狭い範囲の話でだが全般的には驚くほど静かだ。


 まあ夜、年が開けた瞬間から少しの間はにぎやかだ。新しい年を知らせるビッグ・ベン(国会議事堂であるウェストミンスター宮殿内のエリザベスタワーという塔の上部にある時計の鐘。時計塔の一般的な名称でもある)が鳴り響くと同時に、テムズ川上空にはたくさんの花火が打ち上げられ最近はドローンにより様々な絵やメッセージが描かれる。川岸を埋めた人々からも歓声が上がる。


 コロナ禍時に歩行器を使った庭での運動チャレンジで多額の寄付金を集め、新型コロナウイルス対応の医療支援を行った退役軍人(当時100歳くらい)キャプテン・トムことトーマス・ムーアさんの肖像が浮かび上がった時は殊に感慨深かった。


 でもそれだけ、おせちやお雑煮のように 特別な料理を食べたりということはない。

 1月1日こそ休日だけれど、2日からは人々は出勤、街も通常運転だ。


 なぜか?

 ロンドンでは、クリスマスが日本のお正月みたいなものだからだ。


 クリスマスは1年で最大のイベントであり、ひと月ぐらい前からロンドンの町は完全にクリスマス モードになる。


 人が多く集まるところに巨大なクリスマスツリーが設置され、繁華街の大通りには羽を広げた天使や孔雀をかたどったかなり大きなイルミネーションが道路の上空いっぱいに掲げられて夜きらめく。

 駅前ではサンタクロースの格好をした老若男女が歌いながら寄付を募り、デパートの棚にはクリスマスのプレゼント用の色々なギフトが並ぶ(コロナ禍時を除く)。


 その割には、12月24日及び25日はほとんどの店が閉まり電車もバスも走っていない。公共交通機関はすべてストップして街はしーんとしている。

 これには最初驚いた。


 ……なぜだ!?

 人から聞いた話や読んだ本の情報によれば、どうやらイギリスでは多くの人がクリスマスは「家で家族と過ごす日」だと考えているらしい。

 そりゃ、店の営業や電車・バスの運転とは両立できませんわな。


 さて、正月の料理の話に戻ると、魚屋さんや 日本食品を取り扱うお店など日本人向けに素敵なおせち料理を作ってくれるところがいくつかあるようだ。

 けれども私はそこから買うまでの熱意はなかったので、お雑煮こそ作ったけれど、あとは現地の好きな惣菜を買って食べたり、干支の絵が入ったようかんなどちょっぴり豪華な和菓子を買って食べたりしたぐらいだった。


 好きな惣菜は、シェパーズパイ(シェパード(shepherd 読めねえ。でもphでパ行読みは地名にもいろいろありました)は羊飼いの意。羊肉のき肉の上にマッシュポテトが乗っている)、コテージパイ(コテージ(cottage)は小さな家や山荘の意。牛肉のき肉の上にマッシュポテトが乗っている)、キドニーパイ(牛や豚の腎臓のパイ。アップルパイのような円いパイの中身が腎臓入りビーフシチューというイメージ)、かたまり豚バラ肉のアップルソースがけなどだ。どんだけ肉好きなの……。


 どれもスーパーで買ってオーブンで温めるだけ。火加減をじっと見張ったりする必要がないので温めている間に他のこともできるし本当に良かった。日本でも気軽に手に入ればいいのに。


 温めないでいいと言えばスモークサーモンも外せない。

 ロンドンのスーパーにはスモークサーモンを紅茶やウイスキーで漬けたものがそれぞれパック詰めで売られていて、ほのかな風味が楽しかった。


 その代わり(?)気軽に食べられる寿司に青魚はない。回転寿司屋でアジやサバなどの青魚を食べられるのは、レストランやカフェでスマホをテーブルに置いて食事できる(安全)、電車の中で寝られる(安全)などと共に、日本のすごく良いところの一つだ。


 昼はカフェのサンドイッチにもずいぶんお世話になった。クリスマス用のターキーがまだ残っているせいなのかどうかターキー(七面鳥の肉)にクランベリーソースをかけて野菜と一緒に挟んだサンドイッチがまだ売られていて、季節限定もののこれが非常に美味しかった記憶がある。

 ただの鳥でしょ、と思っていたターキーだったけれど、実際に食べてみるとキメが細かくやわらかくてすぐに好きになってしまった。


 ほかに正月料理関係で何かなかったかと思い出そうとした。が、スーパーで 柚子ユズ1個700円(円換算)くらいだったなというのしか出てこない。

 最近はさらに物価が上昇しているようなので、現在の価格は、と想像するだけでも恐ろしい。

ここまでお読みいただきまして、どうもありがとうございました。

ご来訪に心から感謝いたします。

よろしければまたお越しください。

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