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⑵『安息を求めて』
⑵『安息を求めて』
㈠
俺は俺を支配するようでいて、俺が俺に支配されているという、たんなる逆説の裡に留まっている間は、安息を求めて生きていくだろう。そうだろうし、ー一般に俺が知るところの生きるという意味においてもー、即ち、生きることが^安息なのである。
㈡
生きるということは、難しいことである。そうではあるし、また、生きるという行為そのものが、不可思議なことだと、誰が諭してくれよう。考えることが、難しくなっていけば行くほどに、安息というものは、遠ざかるものだ。
㈢
俺は小背うの書きすぎで、もう既に発狂しているかもしれない。もうそれは、分からないことなのである。であるとしても、である、小説を書くことに、一種の使命感を持っていたならば、俺は、この先も、小説を書いて、安息を求めるだろう。