第二章 23話 革命の終わり
「アルス達、入ってきて良いわよ。」
「大丈夫か?」
「えぇ。無事に洗脳は解けたから。」
廊下に出されていたアルス達は部屋の中に入ってきた。
「本当に、すまなかった。」
「陛下...」
「今の俺にヤツを止める力はない。頼む。アイツを止めてくれ。」
王の降伏 革命は成し遂げられたも当然
「よし。ウェスタードへ連絡して援護中止を連絡。」
「は、はい!」
砦の人間に通達したリンダ。
「これで、終わるんだな。」
「そうね。ガリント。」
王と王妃は捕虜になり、王城へ向かった。
(残る問題は宰相のみ、か。さて、どんな人物なのやら。)
王城に着いてからというもの、とても忙しかった。国民への説明、腐敗した家臣への処罰、各国へ説明、政治改革。目まぐるしい日が続いた。気がついたら3ヶ月の月日が過ぎていた。
〜孤城にて〜
「ガリント。ここにいたんだ。」
「マーガレット。」
孤城にある庭に寝転がっていたガリントの隣に寝転がったガレット。
「いきなり何だ?忙しいだろうに態々こんなところまで。」
「特に何も。色々落ち着いたから息抜きにね。」
現在のエアリオスは国が落ち、リンダをトップとした立憲君主制になった。そしてガレットは補佐役、いわゆるナンバー2になったのだ。
「残る問題は宰相ね。宰相の一族は叩けたけど宰相本人は見つかっていない。」
「そう、だな。」
口篭ったガリント。
「どうしたの?」
「俺、言ったよな。ジィさんに魔法禁止をかけた人間を探すって。」
「う、うん。」
「この後ここを出る。」
一瞬鼻の奥が刺されたような感触がした。
「国も安定してきた。俺はもう必要ない。」
「必要だよ。ガリントは。」
「これはケジメだ。終わったらまた戻ってくる。」
少し体を起こしたガリント。
「俺の革命はまだ終わっていない。」
「そう、なんだ。終わったらまた、教えてね。」
「あぁ。待ってろ。マーガレット。」
ガリントは立って孤城の中へ戻った。
(宰相のヤツ、一体どこにいったのか…)
少しの間ガレットは目を瞑り、夢を見た。
「ここ、どこ?」
白い空間にガレットは立っていた。
(空気が肌に触れる感覚がない。今立っているところも、床らしい床じゃない。ここは夢だ。)
夢を見ていると自覚した。
(懐かしい気もするな。昔はよくお父さんとお母さん、サーレットとナユレットが出てきたっけ。)
歩き出したガレット。
「お父さん、お母さん。もうすぐで、もうすぐで終わるよ。全部。」
(ヤンドールさんは亡くなっちゃったけど、忘れない限りずっと残り続ける。)