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第二章 10話 聖騎士団団長

ガレット達が転送されたのは中層階。とても物静かなところだった。

「ヤンドールさん、大丈夫かな。」

「大丈夫だろう。天下の魔法士だし。」

「アルス....そうだけど、心配だよ。」

「マーガレットちゃん。今は、先に進むしかないのよ。」

「分かり、ました。」

一同はまた上の階層へ向かっていった。

「おい、誰かいるぞ。」

ガリントが指して言った。ガレット達はガリントの指した先を見た。

「あの紋章、あの外套(マント)。間違いない、聖なる騎士団(ホーリーオーダー)だ。」

4人中で聖なる騎士団(ホーリーオーダー)に会ったことあるのはガレットのみ。

「確か聖なる騎士団(ホーリーオーダー)外套(マント)を着ているのは団長だけってヤンドールさんから聞いたことある。つまりあれは、団長だ。」

褐色の肌に山吹の如き色の目、柿渋色の短髪の肩幅が広い長身の男がいたのだ。

「おい、あいつこっちに近づいてきてないか?」

団長らしき男が近づいてきていた。

「ッチ気づかれたか。」

「慌てなくて良いぞ、反逆者共。貴様らの存在はすでに確認済みだ。」

団長らしき男は口を開いてそう言った。

「出てこい。取って食うなど無粋な真似はしない。すぐに攻撃なんぞしないから出てこい。」

ガレットは前に出た。

「おいマーガレット!」

「貴殿がマーガレット・w・スカーバだな。俺の名前はロイス・k(ナイト)・カルディア。聖なる騎士団(ホーリーオーダー)の団長だ。もしこの場が戦場でなければ茶飲みでもしたかったが、どうやら無理らしいな。」

団長らしき男、ロイスは言った。

「ここまで上ってきたということは、そういう覚悟はあるということだろう。さぁ、貴殿の剣を抜くが良い。こちらも立場上、本気で相手をしてやる。後ろの柱に隠れている奴らも剣を抜くか今すぐ立ち去るか、どちらかにしてくれ。流れ弾を喰らったら死ぬぞ。」

軍人として最低限の慈悲。

防壁(バリア)を張るわ。私の味方のことを気にする暇はないでしょう?」

防壁(バリア)を張りながら言った。

「そうか、まぁ良い。我が師匠の愛し子よ。その実力、見させてもらうぞ。」

「ヤンドールさんのことね。私はあの人に魔法を教わったことはあまりないけど、それなりのことは教わったわ。それこそ、王城に使える魔法士レベルのね。手加減という言葉は知らないから、あなたこそ潰れないでね。」

「臨むところだ。マーガレット。」

ガレット対ロイス戦が始まった。


一方その頃ヤンドール

「数が多かったが何とかなったな。」

約35名の中将レベルの兵士を討伐し終えたヤンドールだった。

(今頃ロイスと対戦している頃だろうか。あいつも昔よりは強くなっているから時間はかかるだろうが、ガレットなら大丈夫だろう。何せ土台が違う。魔法の“素養”があるのがロイス。魔法の“素質”があるのがガレット。2人は一見同じような性質を持ったようだが少し違う。基礎能力(ポテンシャル)を持つガレットは魂の内から魔法を行使することが可能。ロイスは持ち前の頭脳で魔法を構築して行使することが可能。体への負担を考えるとロイスの方が不便だ。だが修羅場の数は圧倒的にロイスの方が多い。どのように芽吹いたか、楽しみだな。)

少し教え子の成長が楽しみなヤンドールだった。


ガレットは魔法、ロイスは剣による攻撃で進んでいた。

鎌鼬(ウィンドショット)!」

「ふん!」

暴風を一振りで凪いだロイス。

「魔法の腕は確からしいな。流石と言っておこう。」

「そっちも、ね。これが革命じゃなかったら良いライバルになれたかもね。」

「そうだな。貴殿とは話が合いそうだ。」

(一応攻撃をしながら防壁(バリア)の範囲で転送魔法陣を構築できた。あともう少しで最上階への道が開ける!)

「そこの防壁(バリア)で仲間だけ転送するつもりなのだろうが、そうはいかないぞ。ここは転送魔法が使えないからな。」

「フフ。そんなことだろうと思ってたわ。」

(って思ってるわけないでしょう!どうしよう、このまま皆んなをここにいさせるわけにはいかない。先に上に行ってもらわなきゃ行けないのに!)

内心大慌てのガレットだった。

「言うのを忘れていたが俺は読心術が使える。下手な考えはしないことだな。」

(読心術を使えるとは、相当なヤロウだな。何を考えているか見当もつかん。)

ガリントは思った。

聖なる選別(ホーリーソーティング)に選ばれた哀れな一族の末裔よ。その命。頂戴しよう。」

また新たに構えたロイス。

「良いわ。ロイス・k(ナイト)・カルディア。私も新しく構えるとしましょうか。」

ロイス・k(ナイト)・カルディアという男は相手の強さ・真の価値を見抜き、分析できる技術を数々の修羅場で会得した。ここまでロイスが畏まった対応をするのはガレットが真の強者であると認めたからに他ならない。ではその証拠はどこにあるか。それは手に刻まれた刺青にあることを、ガレット達は知らなかった。

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