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第二章 2話 先祖

「メイドも、死んでしまったわね...」

侍女はなんと起き上がった。

「えっ?!お、おきあが、」

「お嬢様。この双子様が私にまた新たに命を授けてくださいました。不肖の私でございますがまたよろしくお願いいたします。」

(これが、善人への福音(アメ)か。まったくこの双子ちゃん達、産まれて早々わんぱくね。)


「騎士団長の部下が部屋を見に来たらいるはずの騎士団長がいなくて、現場に母子と侍女しかいない状況を見て“双子は不吉であり、女神の技を使う異端児だ。”というのが広まった。その後国中で生まれた双子は一部が犯罪組織の長であったり反乱軍の総統であったり黒い役職に就くものがいたから双子が生まれたらすぐに殺すというふうに方針が決まった、ということだ。」

「何だよ、双子っていっても一部だろ?それに後継がいないからって取り上げるだなんて、馬鹿げてる!」

ガリントは話を聞いてイラついていた。

「あぁ。で、何も言わずに殺すというのが可哀想とういう上辺の理由で魔女狩り、所謂聖なる選別(ホーリーソーティング)という言葉を使い殺すことにしたんだ。本来聖なる選別(ホーリーソーティング)というのは建国当初は反乱軍の首魁を討ち取ったりと悪を働いたものを捌くためのものだったがいつしか都合のいい言葉として処理されるようになったんだ。」

言葉の元来の意味を無理やり忘れ、都合のいい解釈をする。なんとも惨たらしい。

「んで、都合のいい解釈をする連中を討ち取ろうってヤンドールとデメールを筆頭に反乱軍、革命軍をあるってことだ。」

「そんなことが...」

「で、僕は主に資金担当をしている。何を起こすにも金が一番の柵だからな。」

侯爵の地位にいるため金を用意することは容易いのだ。

「ヤンドールとデメールは元は聖なる騎士団(ホーリーオーダー)という話も、もう知っているだろう?」

「はい。」

「え、ガリント知ってたの?!」

「あぁ。リリスに聞いた。」

「あの2人はどうすれば革命が成功するか練りたいから自ら聖なる騎士団(ホーリーオーダー)に志願したらしい。ま、真意は知らんがな。」

          真意?

「真意って、どういうことですか?」

「お前達も、感じないか?あの2人が胡散臭いと。」

リンダが少し険しい顔をした。

「僕も大概かもしれないが、あの2人の方がよっぽど胡散臭い。何を考えているか、腹の底が分からない。この話を持ちかけられた時、革命の忠臣としての地位と名誉をやるって言っていた。無論そんなものには興味はないがな。」

「じゃ、じゃあ何で支援を?」

「いつか、アイツらの真意を暴きこの国をあるべきことへ導く者が現れると信じてのことだ。」

「おい待てよその言い方、あんたは全部知ってるみたいな、」

泣きそうで、笑いそうで、寂しそうな、複雑な顔をしたリンダ。

「これが、僕たちの僕の運命なら従うまで。マーガレット、ガリント。頼んだよ。」

「え?」

するとガリントは手を叩き場の空気を変えた。

「さ、2人とも部屋に戻るといい。疲れただろうから。」

「なんなんだよ...」

不服そうなガリントはガレットと部屋を出た。


偽りを見抜く者(デラベリテ)も、簡単じゃないな。」

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