表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/55

第一章 19話 再会と別れ

「久しぶりだな。ガレット。数年ぶりだ。」

そこには少し背が高くなった友がいた。

「何で、ここに?」

「兄貴からもらったペンダントで転移した。」

するとアルスはペンダントを出した。

「学園長から、お前が命の危機に晒された時近くに転移するって言ってたらしい。」

「命の、危機?」

「今どう考えてもお前ピンチだし、良くね?」

顔を見た瞬間安心感があった。

「...ありがとう。」

「どういたしまして。何があったか知らねぇが。とりあえず俺の家に来い。寒いだろ。」

「うん。ありがとう。」

ガレットはアルス宅に向かった。


「家、変えたんだね。」

「ん?ああ。あそこは一応本宅だからな。俺は家継ぐ必要ないし、当たり前だな。それに侯爵家には自立魔導式人形(オートドール)がメチャクチャいてウザいからな。」

それに、もしお前に会えたら同居しようと思ってた...何て言えない。

「そうだね。」

「この数年。どこにいたんだ?それだけで良いから教えてくれ。」

「旅に、出てたんだよ。真実を知りに。」

「真実?」

「うん。自分が何者なのかとか、私を狙ってた黒幕を探しにとか。」

「黒幕?」

「結局、もう分かってたらしいけどね。」

「それ本当か?」

「教えてもらえなかったけど。」

隠されてたんだよね。

「これから、私は独りで黒幕を探す。」

「俺が、協力しちゃダメか?」

「ダメだよ。アルスが危ない目に遭うかもしれないじゃん。」

あなたまで傷ついたら、

「俺は危険な目に遭うのは慣れてる。ただ、俺はお前を護りたいんだ。誰かから指示されたからとかでもなくな。」

アルスの目は真剣だった。

(ああ。コイツは、昔からそう言うヤツだったな。)

「ん、まぁ、良いよ。ただし、擦り傷一つでも負ったら終わりだからね。」

「ああ。良いぜ。ガレット。」


そして私はアルスの家にまた居候しながら黒幕を追うのであった。3人に気づかれたくないので魔力をウチに封じ込め、《魔力無し》と同じくらいにした。

「こうでも、しないとね。」

バレたら、どうなるんだろう。多分散々謝られて、何を隠しているか聞いても上手くはぐらかされるに決まってる。

「今日は、大昔の歴史書を読んで、何か手がかりを探そう。」

多分、リリスは黒幕じゃない。きっと、私のいた村のことをリークしたのはは別だ。

(確か今まで起こった聖なる選別(ホーリーソーティング)は全て歴史書に記録されているはず。これを調べれば何かわかるかも。)

足跡でも何でも良い。何か手がかりがあれば!

そこで一つの歴史書を開いた。

「これだ。“魔女狩り曰く聖なる選別(ホーリーソーティング)の歴史〜悪しき人間の足掻き〜”」

ネーミングセンス無さすぎだろと思ったがそれは置いておこう。

「確か、辛未(かのとひつじ)の年に起きた、あった!」

辛未(かのえひつじ)の年 晩秋の月 一件

・北端 ディアーニ村 村人:75人(老若男女問わず)

 密告者:聖なる騎士(ホーリーオーダー)他数人

 内容:国家の不利益に相当する赤子が生まれると以前占いが出ていて密告者から“印”を持つ子供を見つけたと通達があったので、村の人間全員を処分した。

 だが、子供は見つからず失敗に終わった。恐らく今どこかで生きているのだろう。


「私以外に、生き残りがあるかもしれないってこと?」

でも、ヤンドールさんが全員死んだって...

「まさか...」

ガレットは自身の右手の甲を見た。

「まさか、“印”ってこれのこと?」

それは昔から自分の手にあった刺青だった。

「いや、まだ決まったわけじゃ、」

続きを読んだ。

 “印”について:その子供は右手の甲に時計・月・螺旋の刺青があるらしい。

「え、まさか、」

そのまさかである。自分の右手には、その“印”があったのだ。

「私の、せいで、皆んな、いなく、」

“全て知ったら死にたくなるほど生まれたことを後悔するわよ。”

「あれってそういう...」

涙が流れてきた。

「あ、れ?どう、して?」

全て、知ってしまった。村の襲撃の真実を。自分のせいで皆んなが死んだことを。

「あの人たちが隠したかったのって、これ?」

私は絶望した。

(私のせいで、皆んな、)

自分のせいで皆んなが死んだ。それは私にとって1番きついモノだった。

「もう、」

絶望したくない。自分のせいで誰も傷つけてたくない。

「ごめんね。」


「ガレット。お前その荷物どうしたんだよ?旅行か?」

「ん?ああ、そうだね。」

「どのくらい?」

「...一生だよ。」

「は?!おま、お前、また居なくなるつもりか!」

「そうだよ。村が潰された理由がこの前分かったの。」

「理由?その理由とやらのせいで出ていくのか!」

「うん。それはね、私が国家の不利益に相当する赤子だって占いで分かってたらしくて、その赤子にある刺青が私の手にあるのと同じだったのよ。」

「そんなの偶然じゃ、」

「偶然じゃない。」

「でも、それだからって出るのはダメだ!」

「ここに留まったらあなたまで死ぬかもしれないのよ?無理なの。諦めて。」

「ガレット!」

大好きだったよ。友達として。

ガレットはアルスに記憶改変魔法をかけた。

「さよなら。アルス。」

ガレットはまた独り(孤独)になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ