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転落ゴブリン 〜俺のチート人生を返してくれ!〜  作者: ボツ
・episode3 - 運命のカウントダウン -
16/42

リアリティとは

「あ…いや、それは」


 思わぬ一言に目をそらし、言葉を飲んだ純樹。

 ペレの言葉と笑顔に若干の不気味さを感じたのは俺だけではないらしい。


 止血に使っていた葉っぱのようなティッシュをクルクルと丸め、なんだか少し気まづそうな顔だ。そりゃそうだろう。


 悪い事をした人間をその場で殺せるかだって?殺せるわけないじゃないか。

 裁判で死刑にする事すら、そうそう簡単にできる事じゃないんだ。そもそもアカBANくらいで=死に導く考え方の方がどうかしてる気がするが。


 まあ、だがここはHEAVENの話に乗っておくのも悪い話じゃない。

 抽選で選ばれなきゃ買う事すら出来ないゲームにご招待、しかも活躍の場までご用意ときた。


「…はは、流石にそこは…ゲームと現実の、良い意味での違いなんじゃないですかね?まあでも、モラルのない事をしたプレイヤーがお咎め無しっていうのも確かに良くない。それじゃ無法地帯だ。でも運営側で取り締まるのはゲームのコンセプトとして少し違う…なるほどね」


 気味の悪い雰囲気を打ち破るように俺が口を動かした。


 まあ、こいつの言いたい事はそれなりになんとなく分かった。

 要するに、運営の代わりに俺たちが率先して辻斬り探しをしろと。

 辻斬りプレイヤーを特定、または現行犯逮捕、そして注意喚起、それでもダメなら何かしらの処罰を与える。上手く行けば、治安もそこそこ回復するだろう。

 それに俺たちがテレビでそれを発表し、警備活動を率先して行えば、当然噂は広まり、警備活動を援助、志願する者も次々と出てくるだろう。


 無論、ゲーム嫌いなオッサンオバサンコメンテーターの耳にも入るだろうな。そうすれば散々叩きまくっていたが故に、話題にせざる負えない。というか、ゲーム賛成派の各方面からコメントを求められるに違いない。

 まあ、それでも難癖つけるのがあいつらなんだが…。

 だが、確かにこれでイメージ回復に少しは繋がるかもしれない。

 プラスしてheaven's kissのイメージもかなり良くなるはず。

 それに純樹と奏に働いてもらえば、最後のおいしい所は俺が頂けばいいしな。俺が面倒臭い事をやるまでもない。


「いいですね、やりましょう!」


 ここ一番の爽やかな笑みを作り、ペレに向かってスっと手を差し出した。


「ありがとうございます!さすがは咲夜様ですね、噂通りとてもお話の分かる方だ」


 俺の手を取り、ギュッと俺とペレが固い握手を交わす。


「お、おい咲夜、そんな簡単に引き受けて大丈夫かよ?」


「そうだよ、ゲーム内の警備組織って…結構責任重大なんじゃないか?」


 不安そうに俺とペレを見る2人は、チラリとマネージャーに目線を送る。


「ま、まあ…やるだけやってみてもいいんじゃないでしょうか?成功すればheaven's kissのイメージも良くなりますし…それに、警備組織を()()というお話という事は、彼ら3人に警備員になって欲しいという意味ではなさそうですし」


 その言葉を聞いて「はい、勿論です」とペレが笑顔で話を進め始めた。


「まあ、そうは言っても最初は彼ら3人に多少は動いて貰う必要があります。3人が警備組織を作って警備活動をします!なんて銘打つんですからね。ある程度功績を挙げ、注目度が上がれば自分も手を貸すと挙手する者が自然と集うでしょう。そうなればもう後は警備隊ギルドにしてしまえば良い。ギルドにあなた方のお名前だけ置いていてくれれば、ファスプレという世界での代表的な警備組織となれるでしょう」


「なるほど…でもそうそう上手くいけば良いけど…それに然るべき罰というのも、俺たちが勝手にプレイヤーを牢に入れる訳にもいかない…その辺はどうするつもりなんですか?」


 そんなに上手くいくものなのか、と奏が不安そうにペレを見る。

 確かに、警備活動とは簡単に言っても処罰の部分は俺たちだけでどうにか出来る事じゃない。


「勿論、それについては運営側で牢を用意致します。無論あなた方3名が特殊アイテム【捕縛牢】をダンジョンにて得たという事にして」


 俺たちを目立たせ盾にして、裏では手を貸すという事か。リアリティ、なんてどの口が言っているんだか。


「ああ、必要であれば他のアイテムも手配出来ますよ。物にもよりますが、皆さんが実際にダンジョンにさえ行ってくださればレアドロップした事に出来ますから」


 もう一度言うが、リアリティは一体どこへ行ったんだ。


「という事は、この計画自体も運営側は一切絡んでいないという事にするんですか?テレビで警備活動をすると発表した途端に捕縛用の牢を手に入れたり…流石に運営が絡んでいないと言うのは無理があるんじゃ…」


 顎に手を当て、考えるように奏がペレに質問をする。


「ええ、勿論です。なので捕縛牢をドロップした後に警備活動を思いついた!というシナリオにしていただきたい。それに我々運営側はファスプレ内の出来事に関して出来る限り全て、プレイヤー同士で解決すべきと考えております。でないと、人間は自分達の犯した罪でさえ自分達で処理できない、なんて判断されたりしては困りますからね」


「……?えっと、?」


「…誰に?」


「ああ、すみません。こちらの話です、お気になさらず」


 また訳の分からない事を言いなら、ニッコリとペレが笑った。

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