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未来の展望、真っ暗ね

お読み頂き有難う御座います。

周りでは大騒ぎが始まってしまいました。

 悪女。

 確かに私は前世では悪女だったわ。数々の人を不幸せにしたの。本当に申し訳無かったわ。何でそんな事をしたのか本当に分からないの。


 でもこう……肉体的にドカバキ出来るような屈強な悪女ではなかったの思うの。

 勿論、大砲撃てる腕も無かったでしょうしね。

 どっちかと言うと……。


「私の為に争うなんて……。何て愉快なの!

 あぁーら!御免あ・そ・ば・せ!」


 殿方を争いへと駆り立て、けしかけるパターンね。

 コレだな。コレだったわ。

 回数が多くて記憶に残ってるのは。実に不愉快で酷すぎるわ。お詫び申し上げだいー!!


「……あ、あのお……おん……王子、殿下?」


 どう呼んだらいいの。名乗ってよ、いい加減さあ!!


「旦那様だよー。

 はい、可愛いお口を開けて、おめめを和らげて、首を傾げてはい!ニッコリ!

 だんなさまー!」


 私みたいな小娘より遥かに上背のある成人男性に、笑顔指導を受けてしまった。

 呆れはしたけど……ちょっと可愛い、とは……思いかけたけどなあ。

 後ろではドカバキボチャンボチャンっ!と命のやり取りが大音量で鳴ってるのよ。

 笑えるかっての。


「ダンナ……様はちょっと……」

「えー?えええー?」


 こっわ!!怖あああ!!い、いいいいや、普通、仮にも旦那と名乗る男が、妻にしたい女に目をカッ開いて凄む!?近いし!!

 犬なら今まさに『あぁん?噛み付くが?』みたいな顔をする?

 私、本当に此奴に好かれてるの!?凄く信じられないわ!

 とっても殺意を向けられてない!?向けられてるわ!!


 ああ、どうしたらいいの!?

 下は今ハマれば即死な海で、真後ろではドンチャカと海戦、眼の前には怨霊王子。


 この状態で生きるチャンスが欠片も見当たらないけど……!!眼の前なら、未だ……希望有り!?


「け、結婚も未だ、なのには、恥ずか……」

「奥ゆかしーい!今の君、奥ゆかしいの可愛いーね?何で?本心?」

「ほ、ほん……?」


 いや、本心って。

 勿論、本心2割くらいだけどね!


 本音は直ぐにお暇して、人里を少し離れたお静かで便利な一軒家出来ればロバ飼える小さい厩付きに引っ越したいです。生活用品は要るから、徒歩1日以内の。便利な人里離れた一軒家!あ、前世みたいに犬飼うのも良いな!

 黒くて目の青い犬!ゼルンみたいな、大きい犬!あの子は小さな孤児の番犬になってくれたもの!


「固いねー?冷えてる!

 前と比べる気はないけど、色々考えてお喋りしなくていーよ?」

「えっ、わあ……」


 今まさに、考えてお喋りしないと、ブチ殺される運命では?

 逃げようにも、後ろでは、今の人生で聞いたことのない爆音がねえ。


「ミュリエッタ、取り敢えずお顔と体を拭こうねー。お着替えしようー。温かいスープも用意させるねー」

「…………はい、喜んで……」


 そのお申し出自体は嬉しいんだけどなー。


「お頭ー、残存兵追うっすかー?」

「歯向かう奴は……それなりに」


 ……すみません、力のない私ですみません。背後で戦ってる人達。

 命乞いする程怨霊王子に縋れる図々しさのない、力のない私を許して!!

 でも、私ごと始末しようとした報いは受けて欲しい!私の命も大事!!


 ……芯から悪女なのかしら、やはり……。



幽霊船ぽいのに、設備のいい船のようですね。

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