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前世悪女は怨霊王子から逃亡したい  作者: 宇和マチカ


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12/12

逃げ出したから引っ捕えたよ

お読み頂き有難う御座います。

ゼルン視点でラストです。

 ルミエッティは過去の女。元々の孤児院で付けられた名前は、エティ。

 あいつが持たされたのは金属光沢の髪に、ガラスの目玉。壊れて歪まされた体。そして、ひん曲がってしまった性格。

 そんな女が、ちゃんとした生身の女だと思っていたのかな。笑える。


 見た目は俺の方が化け物だと思ってただろうな。

 でも俺は、俺のまま。何も変わらない。

 残念な思考回路だよな。


「アンタの事は好きだけどさー。飽きちゃうんだよねー。次回もご一緒とか家族とか御免だわー」


 身分だけ高いスカスカ頭の人形共を集めておままごとをするのも、許してきた。

 孤児院には遊び道具なんて、無かったからね。遊びに飢えてたのは知ってる。

 老若男女揃えて家族ごっこなんかも、付き合ったことも有るよ。楽しそうだったから。


 まあ、ひとつも楽しく無かったけどね。


 スカスカ頭共に触れてイイ様にされて喜ぶ様なんて、反吐が出たよ。実際吐いた。

 悪意の塊を初めて喰らわされた時よりも、苦しかったな。


 子供の頃から愛してたよ。縋られて愛されたから、愛したんだ。

 でもそっちは飽きちゃうんだ。

 何の言い訳か企みか知らないが、腹が立ったね。


 遠ざけようったって、遠ざかろうったって。

 あー許せない。赦すものか。


 連れ回される間に、世界も色々見たよ。

 中には幸せそうな家族もあったし、お人好しも沢山いた。

 純朴な娘も見た。

 優しい老夫婦も見た。


 ああいう性格のいい君なら、良かったのになあ。

 孤児の頃の記憶なんてどうだっけ。良い事あったっけ。

 腹立つな。この生意気で毒に浸かったルミエッティを造り変えたい。

 都合よく動かされたルミエッティを、都合のいい女にしたい。


 そうだ、改心させる話もあるよな。

 物理的に、心を入れ替えさせよう。


 別人に生まれ変わらせれば、心置きなく愛せる。

 もう心変わりに怯えたくない。


「止めてよ、ゼルン……。アンタとは、もうヤなのよ……。絶対、逃げてやる!!」


 俺に喰われたヤツは、怨霊となる。

 でも、俺の言う事を何も考えずに聞く訳では無いし、強い奴も弱い奴も居る。

 だが、俺より決して強くはなれない。

 死者には成長が無いからな。


 死者には悪女の魅力なんて効きやしない。簡単に捕まったルミエッティは、あっという間に虫の息。

 腹立つな。何勝手にサラッと死んでるんだよ。


 まあいいか。タグを付けておこう。

 そうだな。

 その、手を加えられた中でも最もマシな、蜂蜜色の瞳に。


 いい感じに生まれ変わっておいで。優しく他人の事を思い遣る、心の美しさを持って。

 そうしたら、一緒に暮らそう。


 長く心地好く生きられるように、こっちも色々整えておくよ。


「何も前の事を覚えていなくていいよー、幸せになろうねー」

「でも」

「今の君が好きだよー、ミュリエッター」


 この地では、元々生きる者と死者は拮抗していた。

 昨日招待したティボー村の人達も、ミュリエッタが連れ去られてから直ぐに、国の騎士達に殺されていた。


 その国も、もう直ぐに無くなる。

 いや、派遣した怨霊と入れ替わる。

 怨霊と交わった生者の実験も、その子供の発生も成功してる。


「ねえ、ゼルン……こんな衣装、贅沢じゃないかなぁ……」

「もっとキラキラさせようー!可愛い君に相応しくね!」


 今の君を心から愛せるよ。


「でも、前に無駄遣いを」

「何も覚えていなくていいからねー」


 思い出したら、また待たなきゃならないしね。

沢山の素敵な小説の中から、お読み頂き有難う御座いました!


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