表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前世悪女は怨霊王子から逃亡したい  作者: 宇和マチカ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/12

目覚めた朝にも大騒ぎ

お読み頂き有難う御座います。

寝落ちしてから外が騒がしいようですね。

 想いが通じ合うって、心地良いのね。

 昨日は思いがけず……ひとりで使用する羽目になった船室で寝コケてしまったけど。

 船室の窓から入る光が柔らかく光って……。


 海風はどんな感じなのかしら。

 今日は……瓦礫が飛び交ってないといいけど。

 そういやあの海戦どうなったのかしら。途中で急に記憶が戻ったから、忘れてたけど。

 取り敢えず、外の空気を吸いましょう。


「うう、ミュリー姉ちゃんのバカヤロー!お、オラがおヨメさんにするつもりだったのに……」

「バッキャロー!オレだよ!今からでも遅くないぜミュリエッタ!!オレと天下取ろうぜ!」

「何アホな事言ってんの?」

「勝ち目ないよ。ヨーは小汚いしさー」

「生贄じゃなくて良かった……!!お幸せに!!」

「おうううん!!おわあん!!うおーーー!!」

「ほら、お父さん気を確かに!!」


 ……何か下の方から声がすると思ったら。

 ……何で、小舟に乗ったティボー村の人達が居るのよ。え、此処海よね?ど、どうして集まってんのかしら。

 そしてあの雄叫びは誰の声よ。お父さんじゃ無いわよね!?


「おはよーミュリエッター。今日も可愛いー」

「ぜ、ゼルン……」


 甲板から覗き込もうとしたら……抱きとめられてしまった。……あの、欠けた手摺りはもう修理してあるわ。早いな。

 朝から眩しいイケメンだな……。私、寝癖とかヨダレの跡とか睫毛とか顔に付いてないかしら。

 身だしなみをチェックしてから、出てくりゃ良かった!!


「左は今の季節の陽光みたいだねー。右は雲の色。優しい秋草の髪の、空の支配者ー」

「……毒蜂といい、何なのそれは」


 滅茶苦茶過剰な褒め言葉が出てきて、返って真顔になってしまうわよ。何よ空の支配者って。


「毒蜂は儚かったしねー」

「いや、だから何なのそれは……」

「結婚式したくてさー。ご実家に婚礼衣装の問い合わせしてみたんだよねー」

「え」


 婚礼衣装。

 ……け、結婚式!?


「ちょ、ちょっと待って」

「うん、何でか大所帯で持ってきて貰ったけど、資料貰ったら直ぐに送り届けるからー。流石に準備期間はねー」

「そ、それはそうか……そうね……」


 下の方でワーワー声が……。本当に大所帯だわ。

 ……資料、というと……何かサンプル的に誰かの……お母さんの婚礼衣装でも持ってきてくれたのかしら。


「船上がいーい?それともどっか廃墟がいーかな」

「は、廃墟……?」


 船上は兎も角、何で廃墟……?

 どういうことなの?怨霊だからなの?

 そもそも、ゼルンの怨霊要素は何なのかしら。顔が王子様みたいだから、王子要素は突っ込まないけど。


「無駄に汚く生きてる人間がウジャウジャ居るとなー。

 瘴気に充てられて、気分悪くなるタイプの部下が多くてねー。繊細なんだー」

「……そ、そう。それなら……人が居ない方が良いわね。って、瘴気って何なの」

「んー、空気の一種?」


 分からないです。でも、突っ込んで聞いても分からないです、みたいな顔をしてるわ……

 誰も瘴気に対して詳しそうじゃない……。それなのに、会話が出来てるってことは、怨霊関係用語なの?


「い、生きてる人間から、瘴気は出るの?」

「出てるよー。ミュリエッタは気持ち悪い瘴気出てないけどー」

「私からもその瘴気、出てるの!?」


 髪の毛を一房取られて……スンスン匂いを嗅ぎなから言われた!!

 いや、滅茶苦茶汚いのでは、私!?お湯で体は拭かせて貰ったけど、い、色々汚いのでは!?臭うのでは!?瘴気云々よりも、体の臭いが!!いえ、瘴気も気になるけど!!


「に、匂いを嗅がないで欲しいわ。

 瘴気って臭うの!?」

「臭う瘴気のヤツの傍は、気分悪くなるよねー。まあ、大体のヤツは臭うけどさー」


 部下の人達がウンウン頷いてる……。


「いい匂いの瘴気持ちだから、ミュリエッタはレアだよ」

「そ、それは良いことなの?」

「勿論!俺や部下にモテモテだよー!」


 そ、そんなにニコニコされても……。で、でも悪い気はしないかも……。

 昨日はお食事を差し入れてくれたり、部下の人達も、親切だったわ。ちょっと……見た目は、いえ、パーツに人外混じってるけど。


「まー、細いことはいーじゃんー。結婚式の準備しないとねー。誰か雇わないとなー。

 最近の流行りと式典に詳しい、でも干されて怨み持ちな同種のヤツとか居ないかなー」

「お頭!近くに国が有りそうですぜ!!撃ちますか?」


 ……同種って、何なのかしら。

 怨霊って何なのかしら……。いきなり撃つのはどうなのかしら……。


「いい感じの廃墟を造るのもアリだねー。利用出来そうな同種も居ないなら、造るかー」

「廃墟……は兎も角、いい人が見つかると良いわね」

「ミュリエッタもそー思うー?楽しい式にしようねー」


 この笑顔を見ていると、細いことを気にしちゃいけない……気がするわね。

 ティボー村の人達も帰ったようだし……。もう舟は見えないわ。……速い舟みたいだわ。


「結局顔を合わせられなかったけど……村の人達は、結婚式には来てくれるかしら」

「喚びたいなら呼ぼうよー」


 ゼルンって、本当に優しいのね。こんなに優しいひとに探されていたなんて。




相容れない空気感みたいですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ