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2麻衣の真実

願いを叶える為の彼が現れて数日が経った


そして今日は私はバイトの日


「休みの日まで働くなんて偉いね」


感心して言う


「そういえば名前聞いてませんでしたよね・・?」

そもそも名前何てあるのだろうか

私は疑問に思った

 

「僕の名はレンだよ」


レンさん・・

というより名前あったんだ

心の中で納得する


「君の名前は?」

「私は白木麻衣です」


同じく自己紹介をする


「カワイイ名前だね・・じゃあ麻衣って呼ぶ事にしようかな・・」


(フットワーク軽くない・・?この人・・)


「じゃあ私はレンさんって呼びます」


「何か気に入らないな・・呼び捨てで呼んでよ・・それと敬語も禁止ね」


(はぁ!)


我儘な性格なのだろうか・・

それともこれが普通のやり取りなのだろか・・

私にはとても理解できなかった


「ダメ?」


(そんな潤んだ目で見てこないでよ・・)


「はぁ・・分かりました」


仕方なく了承する


「ありがとう!」


そして彼はすごく喜んでいる


「所で麻衣は何の仕事してるのかな?」


「実は私バイトなんだ・・」


恐る恐る私は言う

もちろんそれにはとても深い理由がある

だけどあまり人には進んで話をしたくない


「何も思わないんですか?」


だけどそれを彼は不思議にも何も思わない


「どうして?」

「だってこの年齢でバイトって普通に考えておかしい・・」


自信なく私は言う


「人にはそれぞれ理由がある違うかな?」


確かにその通り

こういう事情があるあるのは何も私だけじゃない

皆人それぞれ悩みを抱えている


「君の事情僕は知りたいな・・」

「・・分かった・・ちゃんと話す」


レンが初めてだった

そんな風に知ろうとしてくれる人

だから私も話そうと思った全てを


事故の事 仕事をクビになった事 自分が事故の後遺症を抱えてる事


全てを真剣に聞いてくれた


「なるほどね・・」

「本当は会社に残りたかったんですけどね・・結局ダメでした」


そう私は会社にとって不要な人材となった

ただそれだけの理由で


「ダメですね・・私・・この話するとすごく暗くなる」


だからこそ誰にも話さないつもりでいた

だけどやっぱり黙っておくのはもっと嫌だった


「よく話してくれたね・・」


頭をポンと撫でる

まるで小さい子を慰めるかのように


(どうしてそんなに優しいの・・?)


「めんどくさい奴とか・・仮病とか思わないんですか?」


そうこの事を言っても誰にも信じてもらえなかった

仮病だとか罵られるだけ

病院の先生でさえ疑われる

なのにどうして・・


「どうして?僕は褒めてあげたくなる・・その中でも君は一生懸命やってきた・・違う?」


褒める・・

今までそんな事言われた事なかった


「君が無事で良かった・・」


真っすぐな眼差しで言う

その彼の言葉、表情に私はいつの間にか一粒の雫を流していた


「ふっ・・んっ・・」

私は小さい子の様に泣きじゃくる


「麻衣は・・泣き虫なのかな・・」


彼は私を優しく抱き締める


「今までよく一人で頑張ったね・・」


人前で泣くなんて考えられなかった

だってそれは弱さを見せてしまうから

レンの前では本当の思いを言えた気がした


「強がる必要はないんだよ・・世界中の皆が敵だとしても僕は君の味方だ」


「うん・・」


味方・・

彼が味方だとすごく心強くて安心する










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