ことわりショッカー
ショッカ一をやっている。
長年やっていて、満足している。
ショッカーの理想と現実は、うまい具合に交わっている。
ショッカーは、脇役のなかの脇役。
なのに、主役に抜擢されてしまった。
しかも、僕の単独主演。
もう、訳が分からなかった。
そんなの、おこがましすぎる。
【主演、頼んでもいい?】
[いいいい、いいいい]
【そんなこと、言わないでよ】
[いいいい、いいいい]
【ギャラはものスゴいことになるからさ】
[いいいい、いいいい]
【明日からなんだよね、お願い】
[いいいい、いいいい]
【優遇するからさ、いい?】
[いいいい、いいいい]
いいいい、そう断っても、どんどん進んでゆく。
僕らは産まれたときから、ずっと[いい]しか喋れない。
だが、うまい具合に会話になっていた。