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BIRDS  作者: 七星瓢虫
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鳥籠


まるで、トンネルみたい

放課後のバカ騒ぎから隔離されるように

薄暗く、ヒンヤリと鳥肌立つ廊下の先に目的の教室はある


一歩、また一歩


あたしは、あたしに問いかけ

あたしは、あたしに答えながら歩く

そうしてあたしは、答え合わせをするような気持ちで

そろそろと、目的の教室に足を踏み入れる


至って何気ない

そう思おうとしたけど、無理そう


教室というにはあまりにも、空っぽな部屋

置かれているのは、円陣を作るパイプ椅子だけ


四人分の、椅子

あたしの後ろに居た、あなたが息を呑む


そうね

あたしも同じ気持ち


壁に掛かる、古ぼけた白い時計

秒針が、一定のリズムで時を刻んでく度

あたしの心に、不安と焦りを刻んでく


秒針の音は、大きくなったり小さくなったり

あたしの鼓動も、大きくなったり小さくなったり


どれ程の時間が経ったんだろうか


お互い、背を向けてるのもキツイ

お互い、口を噤んでるのもキツイ


それ程の時間は経ってないんだろうか


どんどん麻痺していく


窮屈な鳥籠の中に閉じ込められた

似たような彩りの羽根を着飾る退屈な、小鳥たち


不意に、あなたと目線が合った

瞬きもせず、大きく見開く

あなたの眼差しに、あたしは何だか可笑しくなる


知ってたのにね

分かってたのにね


そんなあなたが

ぎこちない笑顔をあたしに向けるから

ああ、あたし笑ってた?

と、気が付いた

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