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ホテル大和~史上最高にして最低の戦艦~  作者: 佐久間五十六


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竹槍で防げるモノ

 日本軍にも意地があった。敗戦目前であったとしても、自分から負けを認め降伏するような、選択肢は大本営のバカどもの頭にはなかった。

 空母を失い、まともに戦える艦隊も、戦闘機すらまともにない。そんな状況になっても、戦える兵隊があれば戦う。

 しまいには竹槍部隊が出てくる始末であった。最新鋭の銃火器を装備したフル火力の相手に対して、竹槍等という原始的な武器では、戦いにならなかった。

 そんなことは百も承知である。

 だが、たとえ一億の国民が総玉砕(全滅)するような、ことがあっても、日本が他国に蹂躙されるよりはマシであると、考えていた事は確かである。

 大日本帝国の面子を守る事。それが大本営の最重要課題であった。

 国民もマスコミも、結果的には、それに踊らされた事になる。マスコミが戦争を煽り立て、国民はそれに同調していく。そうやって、日本は戦意を確保してきた。国民の後押しがあったからこそ、日本人はあれだけの犠牲を出しても、最期まで徹底抗戦することが出来た。

 そもそも、日本軍が意地を持っていたとしても、果たしてそれが有効なものであったかというと、疑問である。

 負ける事が分かっていたのならば、少しでも国民の犠牲を減らす為に、政治家が外交努力をするべきで、大本営はそれに協力するべき立場にある。

 だが、終戦間近の日本にあっては、それらが全く機能していなかった。だから大本営は、暴走し、政治家の外交努力は結果なきものになってしまった。

 そのツケが広島・長崎に向かったとも言える。決して、アメリカやイギリスの力を侮っていた訳ではない。

 戦いの終わらせ方が、全くもって日本は最悪だった。意地やプライドで勝てる程、近代・現代の国家総力戦は甘くない。

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