瀬戸際
戦いを継続する為には、兵器以外に物資や資源が必要になる。
残念ながら、日本軍には、戦争継続する為の、油や鉄といった資源が、何も残されていなかった。
日本とアメリカでは、エネルギー自給率が天と地ほどの差がある。
戦前は石油の多くをアメリカに頼っていた。石油がなければ、艦隊も、航空機も運用する事は出来ない。大和に至っても、ただ係留されているだけでも、膨大な量の重油をくった。石油がなければ、戦争には勝てない。
もちろん、日本軍としても、アメリカに頼らない石油戦略が、なかった訳ではない。
南部仏印への進出は、石油狙いであったし、他にも石油を狙う作戦は、いくつかあった。
だが、そのほとんどは、失敗するか、アメリカ軍に取り返される始末であり、効果的な作戦は機能する事なく終わっていた。
そうなると、標的になるのは国民生活である。国民の生活必需品であるフライパンや鋼などは、ほとんど回収され、国民の生活はどんどん苦しくなっていく。
日本軍が敗れたのは、兵隊の質と量や兵器の差と言うよりは、こういった、資源の不足によるものが、大きかったのかもしれない。
補給もまともに出来ない状況では、戦いは成立しない。
だからと言って、一度始めてしまった戦争を、途中で投げ出す訳にも行かない。日本軍に残された方法は、僅かな燃料でも、多大な犠牲を生むことの出来る、"特攻"しかなかった。
もちろん、ギャンブル性が強く、その戦果は散々たるものであった。それでも、日本には日本の意地があり、負けるにしても、それなりの反撃をしてからではないと、いけなかった。




