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ホテル大和~史上最高にして最低の戦艦~  作者: 佐久間五十六


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パイオニアの境地

 大和級戦艦の最大の弱点は、的が大きい事にある。当然、潜水艦や敵航空機から、狙われやすくなる。

 いくら大和が、不沈戦艦と言われていても、実際に被弾すればまず間違いなく、航行に支障が出る。

 兵装は、確かに立派かもしれないが、相手が怖いのは46㎝主砲くらいのものであり、ある程度距離をとったアウトレンジ戦法を使えば問題ないだろう。

 副砲や機関銃などにも、注意する必要があるが、これらの弾道は直線的かつ効果範囲は、狭い。

 だから、直行直下の急降下爆撃に対しては、物凄く弱い。

 事実、アメリカ軍機の急降下爆撃によって、海の底に沈められた日本海軍の艦船は少なくはない。

 空母や戦艦でさえ、航空機の前では、ただのターゲットでしかなかった。

 その時代にあって、護衛の戦闘機を出す余裕がなかったのは、致命的であった。

 最早、大日本帝国海軍には、航空機を飛ばすだけの燃料も資財もなく、どうする事も出来なかった。

 だから、大和は出撃出来なかったとも言える。護衛も無しに、戦場に突っ込める程の戦力的余裕は、日本海軍にはなかったし、何よりも貴重な戦力を浪費するような選択肢はない。

 最も、大和最後の水上特攻は、護衛の戦闘機はろくになかった。だからやられ放題であった。

 空と海中からの刺客に手を焼いたのは、日本海軍だけではない。アメリカ海軍も、イギリス海軍も、ドイツ海軍も世界中の海軍が、これらの新型新世代兵器には、ある程度手を焼いた。

 結局、戦争に勝利した側が使っていたのは、原子爆弾にしろ、グラマンF6Fにしろ、スピットファイアにしろ、Uボートにしろ時代の最先端を行く新兵器ばかりであった。 何が優れているかと言えば、日本海軍のパイロットを守る意識の低さに対してアメリカ海軍は、パイロットの命を何よりも大切にした。つまり、戦闘機一機にかける防御力を極限まで高めた。多少鈍足になっても構わない。俊敏性能よりも、兵士を守る工夫をした。それが日本海軍とアメリカ海軍の考え方の違いである。結局それが、勝敗を左右した。

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