大本営の大和ホテル経営戦略
大和ホテルは、この先どうなってしまうのか?そういう考えを持った兵隊も多いかもしれない。
戦場の第一線で活躍する事を目的に、建造されたにも関わらずほとんど戦果もない。
豪華な食事を軍楽隊付きで食べる連合艦隊の将兵達。そんな奴等の世話をするために帝国海軍に入った訳ではない。
不沈戦艦とは言え、それはほとんど戦場に出ていないからであり、激戦を潜り抜けた不沈戦艦ではない。大和にいても、軍の情報は耳に入って来るわけで、マスコミが騒ぐ程戦況を楽観視していた訳でもない。
海軍兵士として、一旗上げたいと思っていた人間も皆無ではない。
だが、ここは3000名以上の人員が乗る大和だ。上層部(連合艦隊)や大本営の決めた事には逆らえない。
つまり大和がホテルを経営しているのは、そうしろという命令が陰であるからであり、外洋に出る事すらままならない。
もどかしいかもしれないが、連合艦隊の旗艦である以上は、それも致し方ない。
一兵士が大和ホテルの運用について、口を出す事は許されていない。
それでも大和の本来の力を知っているだけに、歯がゆい想いをしている事もまた事実である。
戦場という本来の仕事場であるところで、活躍出来ないというのは我々の想像以上に辛いものだったのかもしれない。
せめて、後方支援でもいいから戦場に出たい。(大和が後方支援というのは有り得ないが)そう思っている兵士も少なくはない。
だが、大本営の考え方は異なっていた。大和がもし仮に戦場に出ていってやられてしまえば、日本海軍だけではなく、日本国民の戦意まで喪失してしまうことになる。
ならば、大和ホテルを経営させ続けフリート・イン・ビーイングを実行してもらおう。大和が出撃するのは日本海軍の本当の最後の時で良い。最後の砦として機能してくれれば、それで良い。そう判断していた。
だから、大和が戦場で大暴れするような事は今後もない。負けるかもしれないと、感じ始めた時でさえも、その方針は崩されなかった。




