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ホテル大和~史上最高にして最低の戦艦~  作者: 佐久間五十六


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72/99

先見の明

 頭数さえそろっていれば勝てるような時代ではなくなった。量より質の時代へと移行していく中において、航空母艦の存在は郡を抜いて光っていた。

 僅か20機の戦闘機があれば、敵基地であろうが都市を殲滅出来る。

 ましてや艦隊決戦至上主義者も、これらの最新兵器の手にかかれば、ひとたまりもない。

 日本海軍がこの戦争で敗れるきっかけとなったのは、ミッドウェー海戦であると言える。日本海軍の至宝であった、第一航空戦隊と第二航空戦隊に所属する、ベテラン搭乗員と4隻の航空母艦を一度に失ってしまった事は、痛恨の極みであったと言える。

 後から見れば、日本海軍の油断と慢心以外のなにものでもないのであるが、そもそもたった6~8隻しかない空母を4隻も一度の作戦に出撃させた事が、間違いの始まりであった。

 空母が無ければ、日本に残された道は、敗戦・降伏以外になく、そのリスクを背負ってまで4隻も空母を出さなければならなかった理由は乏しい。

 戦艦大和や武蔵があるとは言っても、最早時代は大艦巨砲主義の時代ではなくなっている。

 結果として、大和も武蔵も海の底に沈められてしまう。日本が負けたのは、戦略も何も持たずに行き当たりばったりの作戦に終始してしまった事が最大の敗因だろう。

 空母の運用が上手く行っていれば、多くの若者を、特攻という愚策で死なせるような事もなければ、やすやすと原子爆弾を二発も落とされるような事はなかったであろう。

 もちろん、たらればの世界ではあるが。時代の流れを適格に読み、その流れに乗ろうとする事は、ミーハーとは違う。日本海軍は時代の流れを読めなかったから負けたのだ。

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