表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ホテル大和~史上最高にして最低の戦艦~  作者: 佐久間五十六


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/99

死に行く戦友

 伊佐野は戦いの中で多くの戦友を失って行くことになる。

 目の前で、敵航空機の機銃掃射によって何の容赦もなく蜂の巣にされた奴もいた。

 敵戦闘機とのドックファイト中にやられ、最後は敵艦に突入していった奴もいた。

 陸軍にいた奴は何の補給もないまま、餓死していった奴もいる。色んな戦友がありとあらゆる場所で戦死していった。

 玉砕という名の自決によって、死を強制された奴もいる。

 これは戦争であるから、伊佐野もある程度は納得出来ていた。

 だが、それでも心のどこかでなんで戦友が死ななければならないのか、納得出来ない自分がいるのも確かだった。

 戦争なのであるからして、死ぬ事は当たり前の日常である。

 御国の為に死ぬ事は名誉であり、この時代にあっては当然の考え方である。

 それでも人の死は辛いものがある。頭では分かっていても、体がそれを拒絶してしまう。

 戦友の死を前にしても、顔色一つ変えないのは自分が、ただの戦闘マシーンに成り下がってしまった証拠ではないのか?

 伊佐野はそう思うようになっていた。むろん、死んでいるのは戦友だけてはない。多くの日本人が毎日の様にアメリカ軍兵士によって殺されている。

 そしてまた日本軍もアメリカやイギリスの兵士を殺している。

 完全に何かが狂っている。そう思わずにはいられなかなった。

 悲しい、辛いという気持ちもあるにはあったが、そんな感傷に浸っているような余裕はない。

 日々を生き抜くだけで精一杯であり、自分に与えられた仕事をこなすことが、死んでいった戦友や日本人に対する報いの唯一の方法であった。

 自分もいつ死ぬか分からない。戦争に勝つか負けるまで、この地獄は続く。戦争を終わらせるには是が非でも勝つしかない。負けるなどという事はとても考えられなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ