特攻兵器海龍
日本海軍が造った艦船は、大和のような大型艦船ばかりてはない。
その中でも特徴的なのが、やはり特攻兵器だろう。
日本海軍は、「海龍」や「日光」、「蝌龍」といった特攻兵器を開発しているが、今回は海龍について触れてみたい。
海龍は、「回天」(人間魚雷)や、特殊潜航艇に並ぶ水中特攻艇である。
搭乗員は、艦長と艇附の2名で全長17メートル、排水量約19トン、水中速力約10ノットの小型有翼潜水艇である。
船体の両弦下部の射出筒には、一本ずつ二式魚雷が装着され、艇の頭部には600キロの炸薬が装填されていた。
使用方法は、日本本土に来航する艦船に対して、沿岸の基地から発進して攻撃するもので、本土決戦用に造られた兵器だった。
ただし、上陸用艇程度のものなら、魚雷で沈められるが、それ以上大きな艦船に対しては、体当りして頭部の炸薬を爆発させるという攻撃方法を取る事になっていた。
だが、歴史の示す通り海龍が戦場で大きな戦果を残す事はなかった。捨て身の体当りは、アメリカ軍の最新鋭の装備と兵器の前には、あまりにも無力だった。
特攻と一言でいっても、用いられた兵器の多様さはあまり語られる事はない。
何故特攻が行われたかという背景すら語られず、人間の命を無駄遣いする愚かな戦法というレッテルだけが、一人歩きしているのは悲しいことだろう。
特攻は、歴史の過程で生じた大きな過ちであると同時に、それに殉じた兵士達の声を聞くことが出来ないものである。という事は確かである。




