徴兵区分
徴兵制とは言っても、入隊してくる兵隊の実力には、当然個人差がある。
その為、入隊前には隅から隅まで調べあげられて彼らをランク分けした。それが、徴兵区分である。
一番グレードが高いのが、甲種。
次にランクが高いのが、乙種。
そして、最もグレードの低い丙種。
となっていく。
もちろん、甲種に合格したからといって、出世が約束されている訳ではない。むしろ最前線に駆り出される事もあり、素直に喜べるものではなかった。
こうしたランク分けは、兵隊の適材適所を目指すものであったが、戦争が激化し敗色濃厚となってくると、最早どうでも良くなっていく。
丙種であろうが、兵隊は兵隊である。武器がなくてもこの身1つで肉弾特攻が可能である。そんな無茶苦茶な理論が平気で行われた時代だった。
徴兵区分によって兵隊をランク付けする事は、決して否難されるようなものではない。むしろ、徴兵制を円滑に進める為にも、徴兵区分は必要だった。
入隊してきた人間がどれ程の能力を持ち、どれだけの可能性を秘めているのかという事を知る事は、戦力の充実にダイレクトに直結してくる。
入隊してくる徴兵には、そんな事は分かりっこない。帝国陸海軍には、志願兵も少なからず存在していたが、訓練を充分に積んだ志願兵と、徴兵されてきた兵隊とでは、当然使用用途が異なってくる。
そういった細かい所にまで、気を使わなければ良質な軍隊を維持する事は出来ない。徴兵区分は何度も言うが、差別ではない。
言うなれば区別である。兵隊をランク分けする事は、平時からやっている事であり、現代の自衛隊にこそなくなったが、入隊規準の能力というものにその名残がある。
世界各国を見渡しても、徴兵制を採っている多くの国が、徴兵区分に準ずる規格を持っており、今でもそれは世界のグローバルスタンダードである。




