アート・オブ・ウォー
アメリカが、飛躍的に技術革新を遂げる事が出来たのは、アメリカという国の技術信奉主義が、大きく関係している。
太平洋戦争末期に使用された原子爆弾から、後の原子力潜水艦やポラリス・ミサイルに至るまで、最新技術を製作者が戦争にも勝利するという考え方が、非常に強い。
イノベーション好きの国民性が丸出しである。あるいは国是と言っても過言ではない。だから、軍事に限らず技術の開発には、他国と比べても圧倒的な投資を行い続けている。
歴史的にみてもアメリカ海軍は、新しい技術に対して非常に貪欲である。
南北戦争(1861~1865)の時には、既に南軍が世界で初めて潜水艦(半潜水方式の汽走艇と完全潜水方式の二種)を実戦投入していたし、北軍は大砲を小さな装甲艦に搭載したモニター艦を、多数建造していた。
いずれの兵器も必ずしも有効ではなかったが、イギリス海軍ではこれらの実験的な兵器が日の目を見ることはなかったはずである。
伝統やしがらみが無い分、新技術を躊躇せずに導入出来た。これは、太平洋戦争における、大艦巨砲主義から航空母艦中心の作戦への思い切った転換にも言える。
もう1つ、ソフト面から見てもアメリカは、戦争を出来る限り「サイエンス」として、捉えようという志向がある。
もともと戦術は「アート・オブ・ウォー」と呼ばれ、不確定な要素や個人の直感的な判断によるところが大きいとされてきた。
しかし、アメリカは図上演習などによって作戦を、ギリギリまで論理として突き詰めて行く。その上で最後は、現場指揮官の経験や勘、ひらめきといった即興的な要素が関わるが、そのサイエンスの部分を最大化する事を目指すのである。
科学的な発想の割合が多くなれば、誰が指揮官になっても勝てると考えた。それがナチスドイツを倒し、大日本帝国を倒せた要因である。




