表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ホテル大和~史上最高にして最低の戦艦~  作者: 佐久間五十六


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/99

3つの少尉

 大日本帝国海軍の少尉という階級は、少し特別である。というのも、大きく分けて3種類の少尉が、いるからだ。

 まずは、海軍兵学校を出たばかりの新米少尉。

 2つ目が、下士官兵から少尉になった特務少尉。

 3つ目が学徒動員で入隊してきた優秀な大学生の、予備士官。序列をつけると、優位なのは、海軍兵学校出の新米少尉である。予備士官と特務少尉は、ほぼ同じである。

 スペア(予備士官)は、大戦末期にしか居なかった為、あまり重要ではないのだが、特務少尉(特務士官)の序列が低いのはいささか問題だった。

 下士官・兵を経てせっかく少尉まで、昇進したにも関わらず海軍兵学校出のエリート新米少尉よりも、1段低く見られていた。

 少尉とは言え所詮叩き上げ。下士官や兵から見れば、少尉になれただけでも大出世も良いところである。平社員が社長になる。そのくらい確立の低いものであった。

 別に個人の能力面で区別していた訳ではない。むしろベテランの特務少尉の方が新品少尉よりも、経験値が高く有能であったと言える。

 にもかかわらず、叩き上げの兵隊がよく思われなかったのは、日本海軍において兵科重視という考え方があったからである。

 兵科重視というのは、海軍校を出た人間こそが、最も優れているというワングラス的な考え方があった。

 日本海軍の幹部のほとんどが、海軍兵学校出身であった。その上の将官クラスになると、海軍大学校を出たものが大半を占める。

 全ては入り口で決まってしまうという習性があった。日本海軍においては、この海軍兵学校至上主義が、まかり通っており特務少尉が1段低く見られていた背景には、このような考え方が存在していた。

 もちろん戦いで活躍したのは、特務少尉である。特務中尉という人間もいて、海軍の階級は更なる混迷を見せた。そもそも、海軍兵学校を出た人間が権限を持つのは、ある程度理解出来る。

 だが、経験値の高い下士官からの叩き上げである特務少尉と、エリート教育の施された海軍少尉とを比べた時に、むしろ逆で、特務少尉に権限をもたせてあげた方が良かったのかもしれない。現場の事を知り尽くした下士官の存在を、余りにも軽く見すぎていたのかもしれないと言わざるを得ない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ